Yellow Roof 's Museum
1963
城ヶ島にて父の兄弟たちと (三浦市城ヶ島)
静かな海に顔を出す大きなエイと目が合った。それを「エイ」だと指さして教えてくれたのは伯父だった。それがいつの記憶か判ったのは最近のことだ。一枚の白黒写真が残っており、若い時の父親が中央で釣り糸にテグスを結んでいて、その前には父の弟がしゃがみこんで同じようなことをやっている。自分は伯父に抱かれて海の方を見ている赤ん坊だった。何も書かれていない写真を見て城ヶ島と断じたのは自分の母親で、半世紀以上前の記憶が残っていることを不思議に思いながら、誰が撮ったのだろうかと映っていないもう一人の叔父の名を挙げたりしながら昔話に花が咲いた。
Yellow Roof 's Museum