Yellow Roof 's Museum
ヒメエニシダ *栽 マメ目マメ科 Cytisus spachianus
ヒメエニシダの花 (横浜市旭区今宿南町) 2024/05/04
ヒメエニシダはエニシダの栽培種だが、エニシダで検索すると出てくるのはもっぱらヒメエニシダである。ヒメエニシダをエニシダの名で売っているサイトが多数ある。花自体はそっくりだが、エニシダは葉の間に1つずつ花を付けるが、ヒメエニシダは総状花序で、花専用の枝に花が付く。
ヒメエニシダの花 (横浜市旭区今宿南町) 2024/05/04
エニシダ(金雀枝、金雀花)の方は地中海沿岸原産で、明治期に導入されている。多くの草木が文明開化と同時にされて和名が付けられたが、最近の輸入ものはカタカナにするばかりである。日本は四季変化と南北に長い領土で、世界的に見ても生物多様性はトップレベルにあり、環境省によれば約9万種だそうである。明治以降は外来植物の移入によって、首都圏の植物を取り上げただけでも野生植物の半数を占めるほど種が増加している。
ヒメエニシダの花 (横浜市旭区今宿南町) 2024/05/04
エニシダはWikipediaでは明治期に導入とありスペイン語か英語読み起源説を載せて「確証はない」としているが、日本薬学会ではオランダから1600年代に入ったとして、旧来の属名Genistaのオランダ読みが「エニスタ」に転訛し「エニシダ」になったという説を載せている。
ヒメエニシダの花 (横浜市旭区今宿南町) 2024/05/04
魔女の箒はエニシダを使うので英語ではエニシダを“broom”と言う。箒を後ろに柄を前にして跨って飛ぶ魔女のスタイルが定着したのは20世紀に入ってからで、1505年頃のアルブレヒト・デューラーの『山羊に乗る魔女』は裸で逆さの箒にまたがり山羊にも後ろ向きに乗っており、逆さ箒の魔女や魔法使いの絵はたくさんある。もっとも、全部が逆さまではなく今のスタイルの絵もある。通常と逆に描いて魔女の反社会性や異端を顕したらしい。
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