Yellow Roof 's Museum
カニクサ (ツルシノブ) フサシダ目カニクサ科 Lygodium japonicum
カニクサ (追分市民の森) 2024/11/16
陽当り良好の散策路沿いの杉に蔓性植物が絡みついていた。細かく断裂した小さな葉を持つ植物が、大きめの葉のシダ類を一緒に絡め取って巻き上げているように思われたが、調べてみるとどの葉も同じカニクサというシダ植物である。
カニクサ (追分市民の森) 2024/11/16
カニクサはシダ類で最も長い葉を持つ。蔓に見える部分は根茎から伸びた葉柄と中軸(もしくは葉軸)が変化したもので、複数の葉に見えるものは羽状複生した羽片であり、葉の先端が軸を伸ばしながら無限成長していくそうである。このカニクサは高さは背丈ぐらいあるが、ほどいてみないことには何枚の葉が絡んでいるのか長さがどれほどかも判らない。
カニクサ (追分市民の森) 2024/11/16
カニクサ(蟹草)は寒冷地以外の全国で見られ、比較的日当たりの良いところに生える。山野ではなく舗装路の割れ目や側溝といったところでも見られるらしい。
カニクサ (追分市民の森) 2024/11/16
この不定形のアメーバのような葉では、目に留まり写真に撮っても特定できず「シダ」としたり、一部だけ見て別の植物と勘違いしたこともあるかもしれない。そう思って過去の写真を見ると、カニクサの先端の方の葉だけ撮った写真をイチョウシダとしたものがあった。調べたはずだが、蔓性であることは何故か見落としていた。
カニクサ (追分市民の森) 2024/11/16
蔓性のシダ植物は日本ではカニクサしかないらしい。とすれば、シダ類の中では比較的見分けやすいということにもなる。特に珍しい植物というわけでもなく、過去の写真にもおそらく他の植物と一緒に写っているものが見つかるだろう。視界にはあっても認識になければ無いも同然で、これは植物に限らず何でもそうで、珍しいのは最初だけである。
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