Yellow Roof 's Museum
2024/11/16
見晴らしポケットパーク (矢指町)
60段余りの階段を昇り切ると見晴らしポケットパークというごく小さな公園があり、二俣川ニュータウンを中心とした町並みを一望できる。正面中央には11km先のランドマークタワーも見える。
ニュータウン並木道ルート案内図 (矢指町)
二俣川駅からは旭高校入口行の路線バスが出ており、ニュータウン並木道ルートは終点の1つ前のバス停まではまったく同じ経路である。バス通りから外れて最初のポイントが、この見晴らしポケットパークとなっている。
見晴らしポケットパーク (矢指町)
横浜市水道局矢指配水池 (矢指町)
配水池とは浄水場の水を一時的に蓄えておく施設で、水道の水圧を一定に保ったり、浄水場やポンプ場の故障や停電、災害などの緊急時に配水したりといった役割がある。停電時でも水を供給できるよう高台に設けられ、ここは標高80メートルほどである。なお、旭区は平均標高63.5メートルで市内で最も高く、そのため気温も他の区よりは低くなる。
横浜市水道局矢指配水池 (矢指町)
奥の建造物の下に178万立方メートルの配水池がある。配水池の容量は、需要水量×滞留時間+消火用水量から算出するそうで、需要水量は対象区域の人口×1人当たりの平均水道使用量である。これは基礎的な算出法で、実際はこれほど単純ではない。
マムシグサの実 (追分市民の森)
遠目からシダの枯葉を被った赤い塊を見た時には植物とは思わなかった。マムシグサの実、というよりマムシグサ自体初めて見る。
マムシグサの実 (追分市民の森)
マムシグサは全体にシュウ酸カルシウムの針状結晶が含まれており、果実もまた例外ではなく、食べれば口内や唇が腫れ上がり、様々な中毒症状を引き起こすそうである。
マムシグサの実 (追分市民の森)
この実を食べるのはジョウビタキやヒヨドリ、シロハラなど数種の鳥類が確認されている。人には毒でも他の生物には毒でないことがあり、逆もまたしかりである。毒草として知られているものは、しばしば薬草としても知られている。ただし、適切に精製して用法・容量を守った上でということになる。薬の主作用(薬効)と副作用(毒性)は表裏一体である。
マユミの実 (追分市民の森)
マユミの実は、やはり先日ここで見たコマユミの実とはだいぶ様相が異なっており、枝の様相も違う。
マユミの実 (追分市民の森)
コマユミもニシキギもマユミと同様に果皮が4つに裂けて実が出てくる。この実を鳥は食べるが、含まれている脂肪油は人に対しては毒である。マユミの新芽は湯がいて食べられていたそうだが、市販の野菜も食べすぎれば腹痛を起こすように、限度を超えれば植物毒としての副作用が出るもので、栄養補助食品の青汁などにも薬ほどではないにしろ用法や容量の注意書きが記されている。
キノコ (追分市民の森)
この日は何枚かキノコを撮った。中の1つは舞茸のように見える。仕分けするためには、もっと写真を集めて自分が見慣れてこないと無理である。
マムシグサの実 (追分市民の森)
マムシグサはあちこちで見たが、ほとんどが根本から倒れた状態になっている。
ヤブコウジの実 (追分市民の森)
ヤブコウジは草丈も低く林内の暗がりに生えている。見つけたのは、ズボンに無数に付いたチヂミザサの実を取ろうと腰を屈めた時である。
ヤブコウジの実 (追分市民の森)
立った状態ではヤブコウジはこのように見え、普段通り歩いていては気づかない。たいていの花や実は人間以外の特定生物に向けて目立つように進化しており、姿勢を変え視線を変えないと捉えられない植物は多々ある。
ヤブコウジの実 (追分市民の森)
ヤブコウジの実をどんな鳥獣類が食べるか調べても出てくる情報はまだほんの僅かである。しかし、誰でもが写真や映像をネット上で情報共有できるようになってから、以前とは比べ物にならないほど情報は増加しており、いくらも経たないうちに取り纏めた情報が見つかるようになってきている。
観察会の団体 (追分市民の森)
この日は案内人付きの3グループと行き合った。若い人もいたが、子供はいない。50~60代ぐらいが中心だろうか。区内のイベント情報を当たると、旭ガイドボランティアの会主催の『追分・矢指市民の森で森林浴し 旧中原街道沿いの史跡を廻る』というウォークイベントがあった。参加費500円で募集人員50名、距離は7.1kmとある。
ウナギツカミの花 (追分市民の森)
ミゾソバかママコノシリヌグイと似た花だが、葉が違う。
ウナギツカミの花 (追分市民の森)
茎に細かな下向きの棘が多数付いているので、この茎を使えばウナギが掴めそうだというのがウナギツカミの名の由来である。
ウナギツカミの花 (追分市民の森)
ウナギツカミは湿地帯に群落と言えるほどはびこっているが、見るのはここが初めてである。もっとも、これまで気づきもせずに通り過ぎてきたものは数知れない。初めは珍しくても、自分が認識していなかっただけのことで、そのうちあちこちで見かけるようになるといったことが度々ある。
ウナギツカミの花 (追分市民の森)
白花のものを特にシロバナウナギツカミと称したりするのは同じタデ科のミゾソバと同じようなものである。しかし、ミゾソバとは異なりウナギツカミは蔓性である。
お花畑 (追分市民の森)
「お花畑」の南端付近。お花畑の区画は30~40m幅で南北に1km前後ある。右手の森の向こうは聖マリアンナ医科大学付属病院の裏手に当たる。
カニクサ (追分市民の森)
陽当り良好の散策路沿いの杉に蔓性植物が絡みついていた。細かく断裂した小さな葉を持つ植物が、大きめの葉のシダ類を一緒に絡め取って巻き上げているように思われたが、調べてみるとどの葉も同じカニクサというシダ植物である。
カニクサ (追分市民の森)
カニクサはシダ類で最も長い葉を持つ。蔓に見える部分は根茎から伸びた葉柄と中軸(もしくは葉軸)が変化したもので、複数の葉に見えるものは羽状複生した羽片であり、葉の先端が軸を伸ばしながら無限成長していくそうである。このカニクサは高さは背丈ぐらいあるが、ほどいてみないことには何枚の葉が絡んでいるのか長さがどれほどかも判らない。
カニクサ (追分市民の森)
カニクサ(蟹草)は寒冷地以外の全国で見られ、比較的日当たりの良いところに生える。山野ではなく舗装路の割れ目や側溝といったところでも見られるらしい。
カニクサ (追分市民の森)
この不定形のアメーバのような葉では、目に留まり写真に撮っても特定できず「シダ」としたり、一部だけ見て別の植物と勘違いしたこともあるかもしれない。そう思って過去の写真を見ると、カニクサの先端の方の葉だけ撮った写真をイチョウシダとしたものがあった。調べたはずだが、蔓性であることは何故か見落としていた。
カニクサ (追分市民の森)
蔓性のシダ植物は日本ではカニクサしかないらしい。とすれば、シダ類の中では比較的見分けやすいということにもなる。特に珍しい植物というわけでもなく、過去の写真にもおそらく他の植物と一緒に写っているものが見つかるだろう。視界にはあっても認識になければ無いも同然で、これは植物に限らず何でもそうで、珍しいのは最初だけである。
お花畑と中原街道 (追分市民の森)
中原街道に繋がる階段を昇り切るとようやく車の音が聞こえる。それほど公園内は静かである。この辺りで中原街道を通るのは車両ばかりで、民家が少ないので人は滅多に通らない。たまに歩行路を通るのはサイクリストか散歩者の多い公園内を避けて走るランナーである。
ヤマトシジミ (追分市民の森)
シジミチョウは飛び回っているか、留まっていても近づくと逃げてしまうことが多いので、取り敢えず近づける時はシャッターを押す。
ヤマトシジミ (追分市民の森)
ヤマトシジミのオスには鳥やカマキリなど捕食動物から逃げ延びたビークマークが数か所あった。ビークマークは植物の花弁や葉に対しても用いられ、生態学における捕食圧や捕食回避能力を測る指標の1つとなっている。
里山の動植物を保全しています (追分市民の森)
園路外への立入禁止と動植物の採集禁止の立札はあちこちにある。この公園のムサシアブミもいつの間にか根本から折られていた。
マムシグサの実 (追分市民の森)
写真のものは自分が見た中では唯一枯れ葉を付けたまま残っていたものである。この日マムシグサを10箇所以上で見かけたが、園路から見えるもののほとんどが根本から踏み倒されていた。悪戯ではなくこれは配慮だろう。土についた実は鳥や小動物なら口にするかもしれないが、人はたぶん食べようとは思わない。
ニシキギの実 (追分市民の森)
枝に翼(よく)のあるニシキギの実。
ユーカリの花 (追分市民の森)
ユーカリの花は樹冠に咲くと書いたが、これは地面に近い枝にも花がある。ただ、ここには花が付いたユーカリ自体が少ないのは確かである。
キダチチョウセンアサガオの花 (下川井町)
農家の敷地のキダチチョウセンアサガオ。キダチチョウセンアサガオ属は草本ではなく木本で、高木になることもある。下向きに花を咲かせるが、チョウセンアサガオ属の方は花は横向きから上向きに咲く。
キダチチョウセンアサガオの花 (下川井町)
このサイトは自己目的的な写真付きの備忘録のようなものである。撮るものは種々様々だが、公開サイトには無許可の画像はもちろん個人情報も省いている。そうすると残るのは公共物や自然物が中心になる。
キダチチョウセンアサガオの花 (下川井町)
昔は写真にするだけで時間と金がかかりカメラがある家庭も少なかったが、今は老若男女誰でもどこでもいつでも写真を撮っているのを見かける。植物趣味は老人趣味とステレオタイプに思うのは頭が固くなった昭和世代ばかりで、第一線を走るのは年々若い世代になってきている。
ツワブキの花 (下川井町)
ツワブキはキク科で、舌状花と筒状花の2つの花から成る頭状花序である。舌状花の柱頭が成長して花開く。ツワブキの花房全体は円錐状または球状に纏まって付く。専門的にはこれを円錐花序あるいは散房花序、他にも様々な呼び方があり、訳語であったり学者が便宜的に付けた名称であったりする。植物を解説する人にも個性があり、読む人の解釈にも個性があり、そもそも同じ種であっても花の付き方にも個性が出る。現物を見るに如くはない。
ショウジョウソウの花 (下川井町)
ショウジョウソウは杯状花序といって雄花と雌花が別々に付く。トウダイグサ科にしばしば見られる特徴的な花である。3つの球体が合体したような丸いものが雌花で、雄蕊より先に発生する。いわゆる雌性先熟で、雌花が熟した後、先端に黄色い花粉が付いた雄蕊を持つ雄花が次々に発生していく。既に結実して赤くなり始めた実もあり、この写真では雌花と雄花を収容していた杯の形は崩れ去っている。
帷子川の量水標 (横浜市旭区帷子川)
下川井町の御殿橋(ごてんばし)の欄干にカメラやパトライトと共に水位計があるのは先月12日に写真を撮ったが、反対側の欄干の下には水位を目視するための量水標があった。
帷子川の量水標 (横浜市旭区帷子川)
水面は量水標の120センチほどのところにある。これは水深で、横浜市水防災情報では、この日この時刻の御殿橋水位観測地点の水位は2センチである。水位とは個々の観測値で定めた基準面からの高低差のことで、言わば平常時の平均水深のことである。基準面を120センチとすれば水位2センチなら水深は122センチとなる。
矢指川合流地点 (横浜市旭区帷子川)
右から左の流れが帷子川で、正面が支流の矢指川である。
羽根を手入れするカワセミ (横浜市旭区帷子川)
川岸に留まるカワセミを見つけて、飛び立つ先までカメラで追った。15~20メートルほどの距離である。3年前まではカワセミをろくに撮れなかったが、カワセミが急増したというわけではない。変わったのは自分の方だろう。写真を通して、見る目や腕が養われてきたのだと思う。
首を縮め羽毛を立てて休むアオサギ (横浜市旭区帷子川)
正確には、アオサギは羽毛を立てているわけではない。冬に向かって胸部が長い羽毛で覆われて膨らんで見えるだけである。休んでさえいないかもしれない。
アオサギ (横浜市旭区帷子川)
最初は河原にボロ布が捨ててあると思い、そのまま通り過ぎるところだった。アオサギを撮るようになったのはここ3年のことで、それでもまだ現実より思いが先走る。
アオサギ (横浜市旭区帷子川)
いつもと変わらぬいつもの景色に見えるのは、現実ではなく頭の中の景色を見ているからだろう。その河原にはアオサギではなく粗大ごみがあるようだ。
アオサギ (横浜市旭区帷子川)
自分はアオサギほども現実が見えていないのかもしれない。物事に対して価値観や信念、知識や経験といったバイアスを当て嵌めると認知や判断が自動的になる。現実や事実を逐一確認して判断するより思念を当てた方が遥かに楽だが、それは同時に落とし穴でもある。
Yellow Roof 's Museum