Yellow Roof 's Museum
ヒトツバマメ (ツルヒトツバ、ムラサキツルマメ、コマチフジ、ハーデンベルギア) *栽 マメ目マメ科 Hardenbergia monophylla
ヒトツバマメの蕾 (川崎市幸区さいわいふるさと公園) 2025/02/26
蔓性のヒトツバマメは刈り込まれて低木のように見える。昨年の今日は7~8分は咲いていたはずだが、今年はまだほとんどが蕾である。あれから実を付けることもなく葉も減っていったが、完全に落葉することなく、いつの間にか蕾を付けている。
ヒトツバマメの蕾 (川崎市幸区さいわいふるさと公園) 2025/02/26
ヒトツバマメはオーストラリア東部やタスマニア島に自生する蔓性の常緑低木である。自家受粉はしないらしい。近くに別の株はなく、自分もこの公園以外で見かけたことはない。
ヒトツバマメの花 (川崎市幸区さいわいふるさと公園) 2025/02/26
属名のハーデンベルギアの方が呼称として一般的である。ネット上のヒトツバマメの花は青か紫色が目立つが、白色も少なくはない。ハーデンベルギアには3種あり、これはHardenbergia violaceaかもしれない。violaceaは茜色を意味する。monophyllaの方は単葉を意味するが、3種とも互生する単葉である。
ヒトツバマメの花 (川崎市幸区さいわいふるさと公園) 2025/03/04
スマホ等倍。茎と萼の紫色は昨年よりも濃い。萼から突き出す蕾は紫を帯びた淡桃色で、二枚貝が開いたような白い旗弁の基部には、紫の直線と黄緑色の蜜標がある。翼弁2枚は筒状に前に突き出しており、その内側に小さな竜骨弁2枚と雄蕊雌蕊が収まっている。
ヒトツバマメの花 (川崎市幸区さいわいふるさと公園) 2025/03/04
スマホ等倍。晴天が続く寒い冬が茎や萼の紫を色濃くする。観察していれば判ってくることも、カメラでは一瞬しか捉えられない。
ヒトツバマメの花と蕾 (川崎市幸区さいわいふるさと公園) 2025/03/13
雨上がりの朝、雨粒がヒトツバマメに捕まっている。見えるものは天候によっても変わるので、雨や雪、少々風が強いぐらいなら歩く。ただ、豪雨と暴風の組み合わせでは、何がどこからどう飛んでくるか見当もつかないので保身に走る。
ヒトツバマメの花 (川崎市幸区さいわいふるさと公園) 2025/03/13
雄蕊や雌蕊が見えないかと探しても、旗弁と翼弁の隙間は狭く、下には竜骨弁(舟弁)の蓋がある。
ヒトツバマメの花 (川崎市幸区さいわいふるさと公園) 2025/03/13
このヒトツバマメの蔓は左巻きである。蔓の巻く方向は枝先の方から見て判断する。これはどの国でも同じだが、欧米では時計回り(Clockwise)と反時計回り(Counterclockwise)といった表現が多く、中国やその影響下の国々では左旋が反時計回り、右旋が時計回りとなっている。日本では牧野富太郎の時代を通して長らく左巻きは時計回りのことだった。しかし、近年は、sinistrorse(左巻き)は反時計回り、dextrorse(右巻き)は時計回りという国際植物学会の定義に合わせて変更されてきている。
ヒトツバマメの花 (川崎市幸区さいわいふるさと公園) 2025/03/13
ヒトツバマメの中央に覗くピンク色の小さな突起が雄蕊の塊だろう。そう思ったが、夕方になって確かめると二枚貝のように閉じた竜骨弁の端だった。雄蕊と雌蕊はその中である。日中だけ開くのだろうか。
ヒトツバマメの花 (川崎市幸区さいわいふるさと公園) 2025/03/21
ヒトツバマメはもうすぐ満開になる。今年も実ができないとすれば、おそらく他家受粉なのだろう。この公園にも隣の公園にも別株はなく、いまだにこの一株しか自分は見たことがない。
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