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Yellow Roof 's Museum
フキ (オオブキ、フキノトウ) キク目キク科 Petasites japonicus
フキノトウ (横浜市旭区中希望ヶ丘) 2023/03/04
フキノトウはフキの花を指すが、食べ頃は若い花茎、つまりは蕾のうちである。このように花が開いたものは食用に適さない。一般に植物の苦味やえぐ味として感じられる化学成分は毒性アルカロイドで、灰汁抜きとは毒性を水に晒したり下茹でして取り去ることである。しかし、すべてのアルカロイドが熱に弱く水に溶け出すわけではなく、どう前処理しても毒性が強く残る物もある。苦いものを察知して吐き出したくなるのは人間が本来持っている防衛反応である。
フキノトウ (横浜市旭区中希望ヶ丘) 2023/03/04
フキノトウは子供の頃に大人に混じって山菜摘みをして食べたきりだ。このように茎が伸びて花を広げたたものではなく地面に埋まった玉ねぎのような形をした緑の塊である。春になれば土手にヨモギ摘みの光景が見られたのは昔のことだが、今でも実家の方では近所で誘い合わせてフキやヨモギを摘んでいる。参加しているのは老人ばかりである。
ソメイヨシノとフキノトウ (横浜市泉区和泉川) 2023/03/25
ソメイヨシノの根元から4~5メートル離れたところにはフキの群落がある。ほぼ綿毛を付けた果実の状態である。フキノトウを追うあまりに綿毛の方は接写し忘れた。桜の花も同じで1年のほとんどの姿を見逃してしまっていた。
ソメイヨシノとフキノトウ (横浜市泉区和泉川) 2023/03/25
いつものように見るということはいつものようにしか見ないということである。葉に着目すれば蕾は見過ごし、花しか見なければ果実は見逃してしまう。小さな昆虫などには気づきもしない。脳内イメージは一点に固着しており写真のように見直して新たに気づくことは稀で、やがてパターン化して先入観となる。腰を落として顔を近づかなければ気づかないことは無数にある。葉の下に花や実を付ける植物もあれば、今まで見えなかった小さな世界もある。世界は平面ではなく立体で、植物も立体である。なおかつ経年変化する。近づいたり見上げたり見下ろさないと捉えられない特徴もあるが、それらは時々刻々と変化していく。
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