Yellow Roof 's Museum
2025/04/05
「友愛の日時計」 (横浜市旭区大池公園)
約2ヶ月ぶりに大池公園を訪れた。友人と花見の約束がある。自分は一人、写真を撮るため1時間半前乗りした。公園入口の「友愛の日時計」は12時ちょうど、桜は満開である。
ミシシッピアカミミガメ (横浜市旭区大池公園)
大池に突き出た岩で甲羅干しする亀が7匹いる。遠目ではミシシッピアカミミガメ、イシガメやスッポンといった別種にも見える。
ミシシッピアカミミガメ (横浜市旭区大池公園)
16メートルほど離れた岩を望遠で撮ると、甲羅干ししていたのは全てミシシッピアカミミガメで、別種同士に見せていたのは、甲羅の乾き具合や向きの違いによる光の反射率の差である。
ミシシッピアカミミガメ (横浜市旭区大池公園)
近づかないと誤認する可能性がある。しかし、池の中の岩のように近づけない場所もある。実際、昨年の4月にも同じ岩で甲羅干しする集団を見て、自分はスッポンが混じっていると思い込んだ。その時はスマホのカメラだったが、今回はデジカメの60倍ズームである。
チョウのための食草ガーデン (横浜市旭区大池公園)
大池公園のソメイヨシノは満開で、昨年の満開は4月7日、一昨年は3月25日だった。いずれも横浜地方気象台の満開予想より1週間前後遅い。気象台は海に近く、ここは内陸である。緑地面積や標高も違う。気象台の標高は39.1メートルで、この公園の平均標高は69メートル、桜山の標高は約90メートルある。風通しやヒートアイランド効果など、様々な要因が局地気候に影響する。
ミツマタの花 (横浜市旭区大池公園)
チョウのための食草ガーデンあたりにミツマタがあるという情報はあったが、2月に来た時には大池周辺が工事中で、だいぶ回り道になるため断念した。ただ、今回見つけたのはミツマタの幼木2本だけだった。「チョウのための食草ガーデン」はまだ整備中である。
ミツマタの花 (横浜市旭区大池公園)
ミツマタの花は既に咲いており、葉芽が伸び出していた。今宿南町のミツマタも同じような状態だろう。
チョウのための食草ガーデン (横浜市旭区大池公園)
「チョウのための食草ガーデン」はこれから土壌を整えながら、雑草の除伐とともに食草を植えていくようである。区画内で作業中の人が2人ほどいて、赤玉土、黒土、腐葉土、油かすといった資材、柄付きの剪定鋏や穴掘り鍬などが地面に纏めて置かれている。
大池公園のタイワンリス (横浜市旭区大池公園)
タイワンリスは幹を駆け上がり、駆け下り、枝から枝へと飛び移る。ごく近くから鳴き声が聞こえ、あちこちから複数聞こえてもくる。目では捉えられてもシャッターが間に合わない。そこで、録画しながら探すことにした。帰ってから確かめると、動画にはタイワンリスの鳴き声と共に、林の中を縦横自在に疾駆するシルエットがいくつも写っていた。
タチツボスミレの花 (横浜市旭区大池公園)
タチツボスミレは、自分の行動範囲では最も多く見られる野生種のスミレで、距は太く短くやや上向きになる。ただ、左右の2つの花は距が途中から上に曲がっている。しかし、同じ群体であり、他に違いはない。
タチツボスミレの花 (横浜市旭区大池公園)
この辺りではタチツボスミレは、ほぼソメイヨシノと開花時期が重なる。ハート型の葉には鋸歯があり、光沢がないのも特徴である。
タチツボスミレの花 (横浜市旭区大池公園)
茎が直立して立つのが、タチツボスミレの名の由来である。
タチツボスミレの花 (横浜市旭区大池公園)
見たことはないが、ツボスミレという種類もある。これはもう少し小型で、花は白色が強い。茎は柔らかく倒れやすいそうである。
タネツケバナの花 (横浜市旭区大池公園)
タネツケバナ、ミチタネツケバナ、シロイヌナズナは同じ場所に生えていることがあり、同じような白い花と長い果実を付ける。長い果実は専門的には長角果と呼ばれる。
タネツケバナの花 (横浜市旭区大池公園)
タネツケバナの長角果は、茎から垂直方向に伸びてから上方向に曲がる傾向があり、これに対してミチタネツケバナの長角果は、茎に沿うようにして斜め上方に伸びる傾向がある。
ヒトリシズカの花 (横浜市旭区大池公園)
ヒトリシズカは一昨年の4月1日にこの公園で初めて見た。その時は近くにフタリシズカも見ている。
ヒトリシズカの蕾 (横浜市旭区大池公園)
以前見かけたのは公園の北側、中央寄りの林道で、今回は東側の林道である。茎にはツクシのような節があり、頭の形までツクシに似ているが、もちろんヒトリシズカの場合は蕾である。
アケビの雄花と雌花 (横浜市旭区大池公園)
37.5倍ズーム。高枝の紫色の粒々を撮ってみると、アケビの蔓である。右が雌花で、左が雄花。どちらも最初は花弁が黄緑色か黄色だが、環境によって紫色に変わることがある。この場合は陽射しだろう。
ヒメカンスゲの花 (横浜市旭区大池公園)
カンスゲとヒメカンスゲはどちらもカヤツリグサ科スゲ属である。単純な違いは大きさである。
ヒメカンスゲの花 (横浜市旭区大池公園)
ヒメカンスゲの穂は短く、葉も細く短くカンスゲのような光沢もない。上の穂が雄花で、下に2~3個、茎に絡まるように付くのが雌花である。
ヤマザクラの花 (横浜市旭区大池公園)
これほど明確に葉が赤みを帯びていれば、細かく観察するまでもなくヤマザクラと判る。既に満開の時期は過ぎ、風で花弁が散り落ちてきていた。もうすぐ待ち合わせの時間である。
カキドオシの花 (横浜市旭区大池公園)
友人の1人は用事があって来られなくなったという。2人で歩きながら、時おり写真を撮らせてもらった。小川沿いの石段で見つけた花は、自分はその名を思い出せず、彼は初めて見たと言う。
カキドオシの花 (横浜市旭区大池公園)
カキドオシは地面を這うように成長する植物で、茎の途中から根を出す。茎が四角いのは地を掴みやすいからだろう。花冠は上下2つに分かれ、下の唇は2裂または3裂する。紫色の斑点や模様は個体によって様々である。
ヒトリシズカの花 (横浜市旭区大池公園)
ヒトリシズカの花柄が途中で二股に分かれている個体が1つだけある。双子のようなものだろうか。
アケビの雄花 (横浜市旭区大池公園)
アケビの花にしては時期が早い。友人の言葉に自分も同意したが、帰ってから写真を見返すと、一昨年の3月19日に撮った写真がある。まず相手に合わせようとするのは自分の性で、記憶が歪むのは自分の弱点である。
イロハモミジ(オオモミジ)の花 (横浜市旭区大池公園)
イロハモミジと花も葉の形もそっくりだが、葉はやや大きく、葉の切れ込みが比較的浅い。
イロハモミジ(オオモミジ)の花 (横浜市旭区大池公園)
オオモミジとイロハモミジは、実の付き方などにも違いがある。ただ、今までの写真を全て見直さなければならない。しかも、遠目からの写真もある。取り敢えずは同じイロハモミジの括りに纏めておくしかない。
トキリマメの実 (横浜市旭区大池公園)
トキリマメとタンキリマメの違いは、葉で区別できるものの見つける時にはたいてい葉はない。見分けがつかないとトキリマメとしておくことにしているが、タンキリマメの写真は一枚もない。
ヌルデの葉芽 (横浜市旭区大池公園)
ヌルデの新芽をタラの新芽と間違える人は多いようで、自分もまた同じ公園でタラノキの新芽を見つけるまで混同していた。
タラノキの芽 (横浜市旭区大池公園)
タラノキとヌルデは、どちらも同じ時期に同じように芽吹き、どちらも夏に花を咲かせ、秋に実をつける。そして、どちらも大きな奇数羽状複葉を付ける。新芽の時期の最大の違いは、棘の有無である。
ダイオウショウの冬芽と雄花と実 (横浜市旭区大池公園)
ダイオウショウの白い毛は冬芽の残滓で、周囲を囲む丸く濃い紫色の丸い塊は雌花である。これはやがて球果(松ぼっくり)になる。雄花は黄色いが、雌花とは別の枝に咲くらしい。撮り逃しである。
ダイオウショウの冬芽と雄花と実 (横浜市旭区大池公園)
昨年の球果が残っているところもある。
ダイオウショウの冬芽と雄花と実 (横浜市旭区大池公園)
近づくほど何が何やら判らなくなってくる。またそのうちには来ることになるだろう。
シロヨモギ (横浜市旭区万騎が原)
駅に向かう道中、小さな公園で一休みすると花壇に白い葉が生えている。類似検索ではシロヨモギが上位である。ヨモギよりは大型になり、秋に白い花を咲かせるそうである。ただし、日本には様々なヨモギ属がある。いつかは自分で識別できるようになるかもしれない。
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