Yellow Roof 's Museum
ハナニラ *帰 キジカクシ目ヒガンバナ科 Ipheion uniflorum
ツクシとハナニラとヘクソカズラの実 (横浜市旭区帷子川) 2023/03/11
ツクシンボウはスギナの胞子茎で、隙間が開いたものを指で弾くと煙のような緑色の粉が出てくるが、それがスギナの胞子である。
ツクシとハナニラの花 (横浜市旭区帷子川) 2023/03/11
ツクシンボウは久しぶりに見た。鮮烈に憶えているのはツクシの味噌汁で、4歳か5歳頃のことだった。長過ぎるものや緑色のものは美味しくないと父親に言われ、裏山で短いツクシを妹と競うように集めた。料理は母親がして父親が味見をしていた。おひたしにもしていたが、それは苦すぎたようで全部を味噌汁に入れていた。味噌汁は粉っぽく苦かったが、ツクシ自体は美味しかった。胞子が飛んだ長いものは苦味は減るが、その代わり味気ない。不思議な食感が忘れられず翌年もねだったが、食べたのは一度きりである。
ツクシとハナニラの花 (横浜市旭区帷子川) 2023/03/11
スギナとツクシを別々に呼んでいたが、根を掘り起こして同じ植物と示してくれたのは父親だった。スギナの方は栄養茎で光合成を行う。節のところで抜いたり繋げたり出来るので、どこで繋いだか当てっこ遊びをしたものだ。
ハナニラの透き通る花 (横浜市旭区希望が丘水の森公園) 2023/04/08
役目を終えつつある白い花はガラスのように部分的に透けていることがある。ハナニラの紫色の線も中央脈のアントシアニン(フラボノイドの1群)を維持できなくなって薄くなる。その他のフラボノイドは可視光は吸収せず素通りするので人には無色透明に見えるが、有害な紫外光を吸収蓄積する役割があるため昆虫など可視範囲が異なる生物には色づいて見えるそうだ。
ハナニラの透き通る花 (横浜市旭区希望が丘水の森公園) 2023/04/08
花が白く見えるのは主として細胞間隙の気泡が光を反射しているためと考えられており、雨などで細胞間隙に水が入って空気を押し出したところは光が通りやすくなり透明になる。知らなかったが、一時期サンカヨウの花が有名になっていたようだ。サンカヨウに限らず、雨後の白い花、特に散り際の薄い花弁は透き通っている可能性がある。
ハナニラの実 (横浜市旭区南希の森緑地) 2023/05/06
ハナニラは咲いていればすぐ判るが、萎んでしまうととたんに正体不明の植物になる。
ハナニラの実 (横浜市旭区南希の森緑地) 2023/05/06
ハナニラの花後は、緑色の果実が膨らんでくる。
ハナニラの実 (横浜市旭区南希の森緑地) 2023/05/06
萎んだ花弁の表面にはハナニラ特有の紫色の脈が薄く残っている。果実はほとんどできないようで、子房はやがて萎んで枯れてしまう。その代わり球根が分球して増える。アルゼンチン原産の帰化植物だが、その頑健さゆえに関東以西で野生化している。
ハナニラの花 (帷子川遊歩道) 2025/03/20
この日は、植物観察というより、もっぱら立体的に見える写真を撮る方法を模索していた。
Yellow Roof 's Museum