Yellow Roof 's Museum
2022/08/07
帷子川のシャクチリソバ (横浜市旭区帷子川)
左の方にはクズやオオブタクサ、カナムグラなどの葉が見えるが、それ以外はシャクチリソバの葉で専有されている。もっとも、他種と同居しているような場所もある。
帷子川旧川の雑草群 (横浜市旭区帷子川)
ほんの一昔前まではこうした光景が鶴ヶ峰駅の方まで延々と続いているのが帷子川だった。雑草の生い茂る川辺や空地、野原などは子供にとっては冒険と発見の場で、綺麗も汚いも無く自分自身が真っ黒になるまで踏み入っていたものだ。
ヘクソカズラ (帷子川遊歩道)
名前は知らなかったが、ヘクソカズラの花は知っていて、葉や実の手につく臭いも知っている。けれども、実物には名札も無く、植物が名乗ることもなければ日常会話にも出てこない。花には花弁、子房、萼、雄蕊や雌蕊、花冠、花柱、花柄といった植物学上の言葉があり、憶えておけば識別の一助になるが、例えばヘクソカズラの花冠が5裂していることを知らないと識別できないといったことはない。花冠が5裂する植物は他にいくらでもあり、かなり近づかないと5裂していることは分からない。
イノコヅチ (横浜市旭区帷子川)
イノコヅチにはヒナタイノコヅチとヒカゲイノコヅチがあるが、微細な違いなのでこの程度の画像では見分けがつかない。
帷子川旧川のヒメガマの穂に留まるシオカラトンボ (横浜市旭区帷子川旧川)
帷子川の旧川にはヒメガマがびっしり生えているところがある。二段構えのヒメガマの穂はここではそう珍しくもない。日本にはヒメガマ、ヒメガマ、コガマの3種が自生しており、コガマは希少種らしい。なお、傷や火傷に効く「ガマの油」とはカエルではなくガマの花粉のことである。子供の頃に浅草でガマの油売の口上が人を集めているのを見たことがある。実際に薬も売っていたのだが、本物のガマの油だったかどうかは知らない。
虫食いだらけのオオブタクサ (横浜市旭区帷子川旧川)
ブタクサの類は地元住人が見つけ次第刈っているだろうし、葉だけの時期も雑草として除草されてはいると思うが、手入れの行き届かない川原では虫食いだらけになっているものがある。これはオオブタクサとともに北米から帰化したブタクサハムシという昆虫の仕業らしい。
【ブタクサの天敵昆虫は日本で独自の進化をしていた】に東京農工大学のプレス用リリースがある。
帷子川旧川のヒメガマ (横浜市旭区帷子川旧川)
この旧川はほぼ本流と切り離されており、数年もすれば太い水道管を通して埋め立てられる運命にある。
ヤエヤマブキの花 (横浜市旭区今宿南町)
後拾遺和歌集に「ななへやへ はなはさけどもやまぶきの みのひとつだになきぞかなしき」と歌われているヤエヤマブキは、挿し木や株分けなどで人が連綿と引き継いできた栽培種である。
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