Yellow Roof 's Museum
2025/04/12
ムラサキケマンの花 (横浜市旭区帷子川親水緑道)
ムラサキケマンの華鬘とは仏具の装飾品である。しかし、ケマンソウ属ケマンソウの花なら華鬘に似ているが、キケマン属のキケマンもムラサキケマンも似ていない。しかし、花を横からではなく真上から見れば、花の向きは不規則で、華鬘に見えなくはない。ただ、似ているのは仏具の華鬘ではなく、伝統的な華鬘結びの方である。
ムラサキケマンの花 (横浜市旭区帷子川親水緑道)
ムラサキケマンは紫の華鬘を意味するが、何故か属名はケマン属ではなくキケマン属とされている。黄華鬘と紫華鬘は色+形状で、日本人学者ならケマン(華鬘)属とするのが自然だろう。しかし、キケマン属としたのはシーボルトで、外国人なのでキケマンとムラサキケマンの共通項「キケマン」を植物の固有名と思ったのかもしれない。
ノムラモミジ (横浜市旭区帷子川親水緑道)
ノムラモミジは、イロハモミジの突然変異個体のクローンである。葉に色素が多く蓄積されているため、春から紅葉する。イロハモミジと比べて葉はあまり大きくないが、これはアントシアニンが葉の成長を抑制する証左かもしれない。
シャガの花 (横浜市旭区帷子川親水緑道)
初めてシャガの写真を撮ったのは南希の森緑地で、11月だったので葉しかなかった。その後、1月に長屋門公園で似たような葉を見つけて根本から接写した。3月になってこの公園で初めてシャガの花を撮った。その時にようやく葉の写真に種名が付いた。
レディージェーンの花 (帷子川遊歩道)
チューリップの一種、レディージェーンは初めて見る。見たことがないと思っても以前に写真を撮って名前を付けていることもある。忘れてしまうのは構造的に把握できていないからである。自分の場合は構造より名前の方を忘れやすい。ただ、これはやはり初見だった。
レディージェーンの花 (帷子川遊歩道)
白花で花弁の外側に赤いストライプがあるのがチューリップ・レディジェーンである。他のチューリップにはそれぞれ別の品種名があるが、いずれも原種に近い形態をしている。ここでは仮に原種に近いチューリップをレディジェーンの名で纏めておくことにする。
レディージェーンの花 (帷子川遊歩道)
チューリップの原種は、草丈が低く、花も小さい。葉は細く長く、花弁も横幅が広くなく先が尖っている。
レディージェーンの花 (帷子川遊歩道)
レディジェーン自体は栽培種で、花弁の外側が赤くなるということも一部の原種の特徴ではある。ただ、ここに植栽されているものは原種ではなく、原種の形質が残る栽培種である。
フリージアの花 (帷子川遊歩道)
南アフリカ原産のフリージア属の花、ヒメヒオウギは横浜で野生化している。ただ、同じ南アフリカ原産でも本種のフリージアが野生化したという観察例は見つからない。生活道路沿いなので植えられた可能性もあり、こぼれ種という可能性もある。分球でも増えるが、種子は小さく、風で飛ばされれば環境によっては偶然根付くかもしれない。
昔の舗装路 (横浜市旭区鶴ヶ峰公園)
鶴ヶ峰公園脇のアスファルト道路は長く舗装し直されていない。駅にごく近いものの、車同士が擦れ違うことのできない狭い道で、人通りも少ない。おそらく開園の1987年以来、舗装し直されていないのではなかろうか。五十年ほど前までは、市内でも長らく整備されないままの舗装路もあり、車が通るたびに劣化したアスファルトが割れたり、隙間の粉塵が舞い上がったりしていた。土道や砂利道も多く残っていた時代のことである。
ヤドリギ (横浜市旭区鶴ヶ峰公園)
ケヤキの新葉が増えてくると、ヤドリギの塊は目立ちにくくなってくる。
ヤドリギの花 (横浜市旭区鶴ヶ峰公園)
もう少しデジタルズームを使って倍率を上げることもできるが、光学30倍ではこの程度の写りになる。ヤドリギの花が3つずつ咲いていることは判る。けれども、あまり花弁が開いているように見えない。花弁がすぼんだ雄花あるいは雌花かもしれない。
帷子川(鶴ヶ峰白根地区)改修工事(その2) (横浜市旭区帷子川)
3月28日に改修工事を終える予定だったが、延長されているようである。階段の後ろには、新たに舗装されたスロープが作られている。
帷子川(鶴ヶ峰白根地区)改修工事(その2) (横浜市旭区帷子川)
広いスロープで、石垣も整備されている。白い路面の先もコンクリートが敷かれており、2本の川の合流地点辺りまでは延ばすようである。後片付けのための工事車両も入れるが、川の観察路にでもするのだろうか。
ヤエベニシダレの花 (帷子川遊歩道)
ヤエベニシダレにはまだ蕾があるが、樹冠の方は半分近く散っており枝先から葉が目立ち始めている。
ヤエベニシダレの花 (帷子川遊歩道)
ヤエベニシダレには雄蕊も雌蕊もあるが、結実したという観察例はない。桜には自家不和合性という性質があり、同一個体同士では結実しない。つまり、ヤエベニシダレは、ソメイヨシノと同様、接ぎ木や挿し木で増えるクローンということになる。
ニワザクラの花 (帷子川遊歩道)
様々な植物を写真にとって仕分けしていると、見たことがあるかないか直感的に判るようになる。大きさや立性、花の色や花の付き方、環境、植生、時期。こうした構造や状況の違いは、違和感として捉えられる。これは人を見分けるのと本質的に同じである。
ニワザクラの花 (帷子川遊歩道)
ニワザクラは初見で、花と蕾にはバラ科の特徴がある。直立する幹はごく細く、花と葉だけが積み重なっているように見える。この写真では、棒状の幹に他の蔓性植物が巻き付いているが、葉は全てニワザクラである。
ニワザクラの花 (帷子川遊歩道)
ニワザクラは、中国北部から中部を原産で、中国では麦李と呼ばれ、ニワウメの変種とされている。花の直径は3センチに満たないが、花弁は40枚以上ありそうで、雄蕊や雌蕊が全て花弁と化しているので実はできない。もちろん、挿し木か取り木といった植栽だろう。
スミレの花 (帷子川遊歩道)
スミレはまだ咲いているが、散った花もある。来月には実ができるはずである。
スミレの花 (帷子川遊歩道)
歩道の縁石は高さ10センチほどである。スミレの花が散ってしまうと、見分ける手掛かりは小さな細い葉だけである。昨年は実を見逃した。一昨年は撮ったが、種子を放出し終えた鞘だった。
ウコンザクラの花 (帷子川遊歩道)
帷子川沿いの黄桜は、さいわいふるさと公園のものより花は緑色に近いように見える。しかし、ここのほうが日当たりが良く、葉緑素が役割を果しやすく残りやすいということかもしれない。
ウコンザクラの花 (帷子川遊歩道)
さいわいふるさと公園のウコンにも緑色の花と黄色い花が入り混じっている。ここは隣に一本ソメイヨシノがあるだけで、三方から陽射しが注ぐ。
ウコンザクラの花 (帷子川遊歩道)
ここ2年の2箇所での黄桜の観察で自分に明確に判ったことは、緑色が濃いか否かといったことである。花の色は時間の経過とともに同じように変化する。開花時期もさほど違いがあるわけではない。黄色に見えればウコンと捉えたり、緑色に見えればギョイコウの特徴を挙げることはできる。しかし、日照条件によって咲く時期が変わり、黄桜の葉緑素が活性化するかしないかといった捉え方も可能である。
ニワトコの花 (帷子川遊歩道)
ニワトコの写真は、12月の黄変した大きな葉から始まった。次は6月の赤い実で、9月に新葉を撮り、翌年に緑色の若い実を撮った。そして、この4月に花を撮った。全て別々の場所である。
ニワトコの花 (帷子川遊歩道)
毎日同じ場所を通り、目に付いて、なおかつ気が付いてシャッターを押していれば、気まぐれな写真の撮り方でもある程度は定点観測になる。けれども、そうでない植物の方が圧倒的に多い。月に一度か二度通る程度では、見過ごすこともある。以前に見たと思い込めば、おざなりな観測だけで先を急ぐことにもなる。次は来週になる。そして見える物は無数にある。
オオアラセイトウの花 (帷子川遊歩道)
護岸の石垣にオオアラセイトウが生えており、歩道から川面近くまで花を咲かせている。去年までは本流でも岸から離れたところに散見できる程度だった。河川整備が進み、昨年から降水量も比較的少なく、土手の上からのこぼれ種があまり流されなかったということだろうか。
コゴメイヌノフグリの花 (帷子川遊歩道)
帷子川上流の遊歩道沿いではコゴメイヌノフグリの群生が見られる。間から少し顔を出しているのはシラホシムグラで、ほぼコゴメイヌノフグリが占有している。
コゴメイヌノフグリの花 (帷子川遊歩道)
コゴメイヌノフグリは地中海沿岸からユーラシア大陸が原産地である。1960年前後に小石川植物園で栽培を始めると園内で蔓延したそうで、これは東京都から南下してきたものだろう。コゴメイヌノフグリは他の植物の成長を妨げるアレロパシーを有しているのかもしれない。
カンザンの花 (帷子川遊歩道)
既に満開のカンザンもある。来週には咲き揃いそうである。
ヒヨドリのさえずり (帷子川遊歩道)
遠くから大口径の一眼レフのファインダーを構える女性が見えていた。遊歩道の斜面、上の方の木から聞き慣れない鳴き声がする。すれ違いざまに「撮れますか」と訊いてみると、「いや、ちょこちょこ動くので」と笑った。通り過ぎてもまだ探し続けており、別の女性に話しかけられていた。既に10分は経っている。自分は鳴き続けるヒヨドリを撮ったぐらいである。
カンザンの若葉 (帷子川遊歩道)
カンザン(関山)は開花と同時に新葉も展開する。新葉は赤みを帯び、細かい鋸歯がある。他の桜と同様、葉の付け根には赤い蜜腺があり、蟻を味方につけて外敵から身を守らせる。
カンザンの花 (帷子川遊歩道)
カンザンの萼筒は花柄との境目がほとんどなく、ごく短い。一般的には漏斗型と称される。
ミズキの蕾 (横浜市旭区帷子川)
冬芽が開き出してから2週間後、ミズキは蕾を付けていた。
ミズキの蕾 (横浜市旭区帷子川)
ミズキ科はアオキのように雌雄別株の物が多いが、ミズキは雌雄同株で、両性花を咲かせる。
ウバメガシ (横浜市旭区今宿南町)
ウバメガシは雌雄同株。そもそもブナ科は雌雄同株で、ウバメガシはコナラ属である。
ウバメガシ (横浜市旭区今宿南町)
ブナ科は長く垂れる雄花は目立つが、雌花はごく小さい。これを念頭に置いておかないと見逃すことになる。自分の場合は歩くついでの写真なので、撮り逃しである。ただ、ウバメガシの花自体初めて撮るので、まだ一歩目ではある。
ミツマタの花 (横浜市旭区今宿南町)
ミツマタの花は筒状で、雄蕊が4本、真ん中に雌蕊がある。これが花弁の内側に引っ込んでいて、黄色い塊のように纏まっている。
ミツマタの花 (横浜市旭区今宿南町)
この形状と花の小ささでは小さなアブハチ類しか潜り込めない。しかし、その小さき者に確実に花粉を付けるための筒状花である。客引きのために香を炊き、一つひとつの花は萼筒を長く伸ばして放射状に重なり合い、四方八方から目立つ花束となる。
ミツマタの花 (横浜市旭区今宿南町)
枝が三つずつ分岐するミツマタは、ほとんど裂け目のない滑らかな樹皮を持つ。和紙の原料となるのはこの内皮である。人にとっては、花より幹が目的で栽培されてきた植物だが、現在では紙の材料は様々で、このミツマタも鑑賞目的と生垣を兼ねて植えられている。
ホオノキの芽 (横浜市旭区都岡町)
ホオノキが街路樹として植えられているのは、行動範囲ではここだけである。街路樹は公園よりも開けているため観察しやすいが、通る機会があまりない。開きかけの冬芽を見るのは初めてである。
ホオノキの蕾 (横浜市旭区都岡町)
ホオノキの花は大きいが、大きな葉の間に上向きに付く。しかも高木の枝先で、花が咲いたとしても下からは見えにくいだろう。葉が大きく育たない時期に蕾を見るぐらいしかできないかもしれない。
ホオノキの冬芽と若葉 (横浜市旭区都岡町)
20倍ズームを使っても、真下からでは若葉が開いていくのが見えるぐらいで、斜め下からでは蕾もなかなか捉えられない。見下ろすような建物は、ここでは小学校ぐらいしかない。
Yellow Roof 's Museum