Yellow Roof 's Museum
ハス (ハチス) *帰 ヤマモガシ目ハス科 (Engler:スイレン科) Nelumbo nucifera
三渓園の蓮池 (三渓園) 2015/09/27
実家のアルバムには自分が産まれる前の三渓園の白黒写真がたくさんある。三渓園には家族で何度行ったことだろう。ただ、蓮の花を見た記憶はない。憶えているのはハスの葉と枯れた果托ばかりである。
ハスの花芽 (大田区平和の森公園) 2022/06/21
後で見た写真には花芽が1つだけ映っていた。玉ねぎのような形の花芽には焦点が合っていないが、葉柄と花柄は同じところから生えているように見える。泥の下にはもちろん蓮根がある。
蓮池 (大田区平和の森公園) 2022/06/21
ハスを間近に見たのは三渓園に行って以来なので5年振りになる。
ハスの蕾 (大田区平和の森公園) 2022/06/27
平和の森公園の蓮池のほとりに初めて立った翌週、ハスの蕾を見つけた。既に拳ほどの大きさに膨らんでいるものもある。花が萎んだ状態なのかこれから開くのかは分からない。もしかすると土曜日か日曜日に既に開花していたのかもしれない。
ハスの新芽 (大田区平和の森公園) 2022/06/27
槍のような形の新芽は、ハスの葉の葉芽である。
ハスの蕾とフトイ (大田区平和の森公園) 2022/06/27
先週の状態から比べるとハスの花芽はかなり成長が速そうに思えるが、加速度的に伸びるのだろうか。それとも単に大きな葉陰に隠れて見えなかっただけだろうか。
ハスの蕾とフトイ (大田区平和の森公園) 2022/06/27
ハスに焦点を合わせていたので不鮮明ではあるが、これは2メートル近い太い茎なのでフトイとしてみた。
ハスの葉の空気穴 (大田区平和の森公園) 2022/06/27
ハスの葉の中央部分には白い蓋のようなものがある。
ハスの花 (大田区平和の森公園) 2022/06/27
夕方になると木札の横のハスの花はだいぶ小さく萎んでいた。
ハスの蕾 (大田区平和の森公園) 2022/06/28
ハスの花托は花材としてよく見かけるし、レンコンはもちろんだが、蓮の実も食用に市販されている。ハスの花が開くのは午前中だけで午後には萎んでしまう。しかも3~4日で散ってしまうようだ。ポンと音を立てて重みのある花びらが開くのは9時頃までらしい。
ハスの花 (大田区平和の森公園) 2022/06/28
最初に蕾を見たのは2つだけて、先客の男性がスマホで何枚も撮っていた。通勤途中らしく譲るでもなくすぐに立ち去っていった。自分も遠景と接写を撮って立ち去ろうとすると、自転車で通りがかった小柄な老人がブレーキを踏んで「お、もうすぐ咲くな」と独り言を漏らしていった。満開はもうすぐのようだ。ただ、既に花弁が浮かんでおり花托の状態になったものもある。
ハスの花 (大田区平和の森公園) 2022/06/29
ハスの花は開くと直径20センチ以上はある。絵の具を溶かしたような仏教画そのままの色彩である。花弁を触ると弾力があって柔らかい。蕾にこの花を収めるためには相当折り畳まれていたはずで、開けば擦過音ぐらいはするかもしれない。ハスの花托、イチゴで言えば果実に当たる部分には穴が空いている。これは水中の蓮根に繋がる空気穴である。
ハスの花 (大田区平和の森公園) 2022/06/29
木札の横のハスの花は夕方には散り出していた。1つの花は3~4日だけ咲く。夕方まで開いているハスの花は寿命で、そのまま萎まずに散るだけである。
ハスの花 (大田区平和の森公園) 2022/06/30
朝はたいてい通勤服姿で写真を撮っている姿を見るし、夕方には赤ん坊を連れた主婦が足を止めていたり、新入社員らしい男性二人が柵に持たれていたり、老人夫婦が池に身を乗り出すようにして写真を撮る姿もある。三脚を構えて望遠レンズで動画や写真を撮る姿を見たのも一度や二度ではない。
蓮池 (大田区平和の森公園) 2022/07/01
ほとんどの人は蓮池に目をやるだけで近づきもせずただ通り過ぎていく。地元の人なら見慣れているだろうが、これまで自分は通勤路から外れず近づこうともしなかった。
蓮池 (大田区平和の森公園) 2022/07/04
蓮池のある自然観察園のすぐ向こうは住宅地で、住宅街を右に行けばドン・キホーテがある。夕方には買い物袋を抱えて散歩する姿をよく見かけるし、近隣会社に勤める人たちの憩いの場でもある。
蓮池 (大田区平和の森公園) 2022/07/05
ハスには微かな芳香がある。集まってくる小さな虫を狙ってか、シオカラトンボが目まぐるしく飛び回っている。シオカラトンボは速くて写らないが、ホバリングするクマバチは写っていた。
ハスとキムネクマバチ (大田区平和の森公園) 2022/07/06
ハスの花にはクマバチ(キムネクマバチ)が寄ってくる。クマバチは5種ほどしかなく、最も多いのがキムネクマバチである。夏が近づくといつもの時間にいつもの場所でホバリングしているクマバチを見かけるが、空中停止していたり人に向かってくるのは大概オスらしい。メスの方は花を目指して飛ぶだけなので、花の蜜を吸っているメスを刺激しない限りは刺されることは滅多になく、自分もクマバチに刺された経験はない。
通勤路の小橋から蓮池を望む (大田区平和の森公園) 2022/07/12
ハスの花はわざわざ名所に出掛ける人もいるぐらいのもので、それが通勤路の側にあるのだから、たった1分寄り道をすればいいだけのことである。ともかく実際にある植物を見ることから自分は始めた。
ひょうたん池のハス (大田区平和の森公園) 2022/07/13
どれほどハスの花が咲いているか動画で撮ってみたが、大きさはやはり明確に判らない。静止画よりは比較対象が多くなるぐらいで、写真と同様に植物の大きさは自分で測ったり推計したりする方が現実的である。
ハスの花托 (大田区平和の森公園) 2022/07/15
散ったばかりのハスの花托は柔らかい。上方には20本ばかり短い雌しべが残り、2~300本あった雄しべは花弁と共にほとんど抜け落ちてしまう。
自然観察園のデッキから見た夕方の蓮池 (大田区平和の森公園) 2022/07/15
夕方に開きっぱなしのハスの花は散るだけで、夕方に花弁を閉じているものは翌日にも開花する。
ハスとキムネクマバチ (大田区平和の森公園) 2022/07/19
初日の花や蕾が最も色が濃く、最終日の花は若干色褪せる。これはおそらく初日の花だろう。蜜がたっぷりでクマバチが花托に潜り込んで出てこない。
ひょうたん池のハス (大田区平和の森公園) 2022/07/22
思っていたより蓮池は小さかったが、ハスの花は両手に余るほど大きい。色鮮やかで、手を伸ばせば触れることもできる。ハスの葉も傘にできそうなほど大きい。クマバチが花の間を飛び回り、シオカラトンボが飛び交い、クマゼミの声が響き渡り、車の音などほとんど聞こえてこない。
蓮池 (大田区平和の森公園) 2022/07/29
7月も末になると花の数はぐんと減って、花托も茶色いものが増えてきていた。そして、もっぱら葉を成長させて蓮根に栄養を回すためだろうか、直径60~70センチの傘ぐらいに成長しているものが見られるようになってきた。
ハスの新芽 (大田区平和の森公園) 2023/05/08
ハスの葉芽はまっすぐ突き出してから首をひねるようにして折り畳んでいた葉を広げていく。
ハスの新芽 (大田区平和の森公園) 2023/05/08
こうして水に浮かんだハスはスイレンと同じように見えるが、ハスの葉にはほとんど切れ込みがない。大池公園のスイレンはもう咲いているはずである。
Yellow Roof 's Museum