Yellow Roof 's Museum
2023/05/04
ヤブヘビイチゴの実 (横浜市旭区鶴ヶ峰本町)
ヘビイチゴは毒だということは今もよく聞くしドクイチゴとも呼ばれるが、実際には実にも植物そのものにも人間に害を与えるほどの毒性はないようだ。自分も舐めるぐらいはしたことがあるが、水分が少なく甘みもなく味もない。肉食性の蛇は見向きもしないが、乾燥させて服用すれば解熱、通経、咳止めの薬になるそうである。
帷子川親水緑道 (横浜市旭区帷子川親水緑道)
鶴ヶ峰の北側には急勾配の下り坂がいくつもある。U字谷状のいわゆる谷戸で、白糸の滝がある白根不動の方には「谷戸入口」というバス停がある。駅の近くは高層マンションがあり商店や住宅がひしめくが、相鉄の窓外からは鬱蒼とした森が続くところが見え、駅から5分と歩かずこのような風景になる。横浜市の
【谷戸のまち横浜】によれば横浜にはかつて3700以上の谷戸があり「1994年には2467か所」に減ったそうだ。
マスクサ (横浜市旭区帷子川親水緑道)
マスクサのようなカヤツリグサ科の植物は水辺に行けばどこにでも生えているが、細いため気付きにくい。穂の先が雌花で基部に雄花がある。
帷子川親水緑道 (横浜市旭区帷子川親水緑道)
この辺りは昔のままの小川沿いの土道が続いており、中学生の頃に何度か足を踏み入れたところである。右側の崖の20メートルばかり上に鶴ヶ峰駅がある。
帷子川親水緑道のアオジョウカイ (横浜市旭区帷子川親水緑道)
アオジョウカイはカミキリムシに似ているが、ジョウカイボン科の甲虫で草食のカミキリムシとは異なり肉食である。
帷子川親水緑道のアオジョウカイ (横浜市旭区帷子川親水緑道)
アオジョウカイは小さな昆虫を食べるだけでなく花の蜜も食べることがあるらしく、それでトキワツユクサの葉の上にいたのかもしれない。1年のうち初夏にしか見られない昆虫のようである。
帷子川親水緑道 (横浜市旭区帷子川親水緑道)
昔の記憶にあるのは、このような小川と湿地帯と、陽射しが届かないほど鬱蒼とした雑木や竹林だった。
帷子川親水緑道のキショウブの花 (横浜市旭区帷子川親水緑道)
アヤメ属の植物は日本では10種ほどが見られるというが、目に入るものは園芸種が多く、植込みに名札代わりの印刷物が留めてあるのまで種名として挙げれば既に10種を超えている。
帷子川親水緑道のエノキ (横浜市旭区帷子川親水緑道)
小川の土手から弓なりに生えた大木は直径70センチ少々ある。倒木に至らないのは、この辺りにモウソウチクが林立しているためだろう。つまり、この土手はモウソウチクが張り巡らせた地下茎でがっちり固められている。
帷子川親水緑道のエノキ (横浜市旭区帷子川親水緑道)
20メートルほどの大木の葉は小川の反対岸の遥か上にあり、スマホの望遠レンズでは形も判然と写らない。植物観察を始めて2年ほどでは、樹皮から調べようにもエノキか、あるいはシラカシやアラカシに似たようなものもある程度のことしか判らない。
帷子川親水緑道のエノキ (横浜市旭区帷子川親水緑道)
この大木の葉を確かめたのは、翌年の同じ日である。
トウバナの蕾 (横浜市旭区帷子川親水緑道)
これがシソ科ということはすぐ判るが、中でも蕾が密集して付くのがトウバナで、高さ30センチ程度である。
オオアラセイトウの果実 (横浜市旭区帷子川親水緑道)
オオアラセイトウの果実というか鞘と称した方がいいかもしれないが、やがては中で種子が膨らんできて凸凹になるはずである。
オオニワゼキショウの花 (横浜市旭区帷子川)
これは花弁が紫色であることから、おそらくオオニワゼキショウだと考えられる。
帷子川捷水路トンネルの銘板 (横浜市旭区畠山重忠公碑)
畠山重忠公碑の鉄柵にある銘板はクロガネモチの陰にある。「帷子川遊水路トンネル/1988年3月/横浜市下水道局/延長 141.1m 高さ 9.548m 幅員 16.30m/施工:鹿島・奥村・保土ヶ谷建設共同企業体」と記されている。河川は「下水道」に当たることを改めて思い出した。
帷子川のスイカズラの花 (帷子川遊歩道)
花がたくさん咲くのを見てやっと馴染みのある植物であることに気づいたが、冬の丸まった葉とは全く異なる印象で、葉の形状も違って見える。着物と化粧で見違えた娘のようなもので、スイカズラという名前を見失ってしまう。
送電線のカワウ (横浜市旭区帷子川)
電線に留まったカワウは初めて見た。電線に留まれるということは、木の枝にも掴まれるということで、しかし、カワウの足は水かきである。
帷子川上流の魚影 (横浜市旭区帷子川)
帷子川本流の中に初めて鯉以外の魚影を見た。これまでは覗き込んでもなかなか見えなかった。たまたま流れが穏やかで風もなく天気の良い日だったのかもしれない。
帷子川上流の魚影 (横浜市旭区帷子川)
そもそも小さな魚影がどんな風に見えるものか知らなかったのかもしれない。一度捉えれば魚の動きにしか見えないが、これまでは川底の水草かゴミがうごめいているとしか見做さなかったということだろう。
帷子川上流の魚影 (横浜市旭区帷子川)
一緒に買い物に連れ出っていた母は自分より目が悪いが、しばらくは目を凝らすようにして指し示す先を探していたが、やがて手摺りにしがみついた。その時、足元の真っ黒な塊が動きだした。それは何百匹か何千匹かの稚魚の群れだった。母は面白い面白いと口にしながら見入っていた。
帷子川上流の魚影 (横浜市旭区帷子川)
川底を覗き込んでいると、ベビーカーを押して通りがかった二人の若い主婦も川底を覗き込んで驚いていた。みな地元の人間である。子供たちが釣り道具を持ち込んだり、川面に下りて何やら採っている姿は見ているだろうし、鯉以外の魚の話も耳に入っているはずだ。しかし、聞くのと見るのでは大違いである。
帷子川上流の合流点 (横浜市旭区帷子川)
正面は支流の矢指川の終点で、帷子川との合流地点ではカワセミをよく見かける。
ノビルの珠芽 (横浜市旭区帷子川)
一度気がつけばどこにでもあることにも気がつく。何十年も気づかなかったものが、現実にはどこにでもある。
帷子川ルート (横浜市旭区帷子川)
「●ルートについて/鶴ヶ峰駅と上川井町の帷子川源流域付近を帷子川に沿って結ぶ約6kmのコースです。コース途中には由緒あるお寺や、全長約300mの水路橋、源流域には自然の景観をそのまま残した小川アメニティーもあります」。由緒あるお寺とは清来寺のことである。
帷子川の歴史と畠山重忠 (横浜市旭区帷子川)
区役所に近く、畠山重忠公碑が見える小さな公園の前に大きな案内板があった。昭和14年、昭和59年、改修後の帷子川の地図、鶴ヶ峰周辺史跡マップ、畑やわら編著「畠山重忠」からの図版がある。
帷子川捷水路トンネル付近 (横浜市旭区帷子川)
土日は遠くから訪れたと思われる人たちとよく擦れ違うようになってきた。旅する者は服装や持ち物も違うし、案内地図らしきものを手にしていたりする。そもそも歩の進め方や目線の配り方から違うので見当が付く。
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