Yellow Roof 's Museum
帷子川親水緑道
帷子川親水緑道 (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2020/04/04
この日初めて帷子川親水緑道を訪ねた。といっても、新型コロナウイルスの警戒下で、近場で桜見物を済ませようと母親を鶴ヶ峰に連れ出した時に偶然知った形である。
帷子川親水緑道 (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2020/04/04
帷子川親水緑道は1989年12月の開園である。以前は民家が点在する緑深い谷戸で、鶴ヶ峰駅から北方面に抜ける谷間の小道があった。ただ実家とは方向が違うので普段通ることはなく、遠くから変貌を垣間見るぐらいのものだった。
帷子川親水緑道 (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2023/01/01
帷子川捷水路トンネル完成の翌年、1989年に帷子川親水緑道は開園している。
帷子川親水緑道のカルガモ (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2023/01/01
大田区ではオナガガモも見るが、ここではカルガモやマガモばかりである。
帷子川親水緑道 (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2023/05/04
鶴ヶ峰の北側には急勾配の下り坂がいくつもある。U字谷状のいわゆる谷戸で、白糸の滝がある白根不動の方には「谷戸入口」というバス停がある。駅の近くは高層マンションがあり商店や住宅がひしめくが、相鉄の窓外からは鬱蒼とした森が続くところが見え、駅から5分と歩かずこのような風景になる。横浜市の
【谷戸のまち横浜】によれば横浜にはかつて3700以上の谷戸があり「1994年には2467か所」に減ったそうだ。
帷子川親水緑道 (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2023/05/04
この辺りは昔のままの小川沿いの土道が続いており、中学生の頃に何度か足を踏み入れたところである。右側の崖の20メートルばかり上に鶴ヶ峰駅がある。
帷子川親水緑道のアオジョウカイ (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2023/05/04
アオジョウカイはカミキリムシに似ているが、ジョウカイボン科の甲虫で草食のカミキリムシとは異なり肉食である。
帷子川親水緑道のアオジョウカイ (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2023/05/04
アオジョウカイは小さな昆虫を食べるだけでなく花の蜜も食べることがあるらしく、それでトキワツユクサの葉の上にいたのかもしれない。1年のうち初夏にしか見られない昆虫のようである。
帷子川親水緑道 (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2023/05/04
昔の記憶にあるのは、このような小川と湿地帯と、陽射しが届かないほど鬱蒼とした雑木や竹林だった。
帷子川親水緑道のキショウブの花 (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2023/05/04
アヤメ属の植物は日本では10種ほどが見られるというが、目に入るものは園芸種が多く、植込みに名札代わりの印刷物が留めてあるのまで種名として挙げれば既に10種を超えている。
帷子川親水緑道のエノキ (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2023/05/04
小川の土手から弓なりに生えた大木は直径70センチ少々ある。倒木に至らないのは、この辺りにモウソウチクが林立しているためだろう。つまり、この土手はモウソウチクが張り巡らせた地下茎でがっちり固められている。
帷子川親水緑道のエノキ (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2023/05/04
20メートルほどの大木の葉は小川の反対岸の遥か上にあり、スマホの望遠レンズでは形も判然と写らない。植物観察を始めて2年ほどでは、樹皮から調べようにもエノキか、あるいはシラカシやアラカシに似たようなものもある程度のことしか判らない。
帷子川親水緑道の崖 (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2023/06/04
これまで何度か小川が濁っているのを見ているが、この写真も大雨の後である。
ホタルがとんでますよ (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2023/06/10
横浜にはクロマドボタル、ムネクリイロボタル、オバボタル、カタモンミナミボタル、スジグロボタルなどの陸生ボタルが生息しているが、水生のゲンジボタルやヘイケボタルは民間での幼虫の放流によって増加傾向にある。ここ帷子川親水緑道でも十数年前からゲンジボタルやヘイケボタルの幼虫の放流が行われているようだ。
帷子川親水緑道のカルガモ (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2023/06/14
会社帰りに親水緑道に寄ってみた。ホタル見物らしき人たちは5~6組で静かなものだった。着いたのは7時半頃で気の早いホタルを10匹ほど確認できただけである。ここの歩道は足元を照らすライトが設置されており、歩道と小川もごく近い。ホタルは照明を避けて茂みの中を飛んでおり、1~2匹が時折見えるぐらいだった。
帷子川親水緑道のタイワンリス (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2024/03/24
タイワンリスは特定外来生物に指定されており、輸入、飼養・栽培、野外への放出等が原則として禁止となっている。餌やりはもちろん、その場で殺処分しない限り持ち運びも禁止である。昨年は鎌倉市で15年間に捕獲数が4倍となったとの報道があり、年末には神奈川県が広域に駆除を進める方針を打ち出した。横浜市では既に捕獲許可証の交付を行っている。この辺りにニホンリスは生息していないので固有種の保護というよりは植物や木造家屋への被害防止の意味合いが強いと思われる。
帷子川親水緑道のタイワンリス (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2024/03/24
この日は雨天で薄暗くピントが合わなかったが、タイワンリスが梅の花を食べている様子は写っている。タイワンリスには樹木を齧って歯を研ぐ習性があり、樹液を舐めたりもするが、神社仏閣、民家などの木造物も齧り取ってしまう。雑食性で、果実や花、作物、昆虫や小動物、鳥の卵なども餌とする。
帷子川親水緑道のエノキ (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2024/04/27
中央の傾いた樹木は何の木か判然としない。最も近くの葉でも十数メートルは離れている。根本にいくつかあるヒコバエもどれだかよく判らない。
帷子川親水緑道のエノキ (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2024/04/27
傾いて伸し掛かる全重量を支える根本は、直径70センチを越える。
帷子川親水緑道のエノキ (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2024/05/02
この木の葉は踏み入れない小川の向こうに落ちていき、舗装された遊歩道からは並行に見える葉もあるが、さらに距離は遠くなる。
帷子川親水緑道のエノキ (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2024/05/02
巨木のヒコバエと思われるものもあるが、どれも枯葉の厚い急斜面上にあって親木が判然とせず伐採されている可能性もある。養分を吸い取るヒコバエを伐採したりするのはこの公園でも同じである。
帷子川親水緑道 (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2024/05/02
こうした微細な緑色のグラデーションから食草や薬草、その他の生活必需品を見分けて生活してきた歴史が、世界に類を見ないと言われる日本人の色彩感覚を作り出してきたのかもしれない。しかし、植物にデザインや癒やしを求めるばかりの時代になり、日本人の自然観と共に色彩感覚も変わりつつある。
帷子川親水緑道のエノキ(HANDYCAM) (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2024/05/04
高木の遠い葉を確認するために光学30倍レンズのハンディカムを持ち込むと、あっさりエノキの葉が見えて若い実も確認できた。もっとも、ハンディカムは重いので普段持ち歩けるコンパクトデジカメの購入を検討している。
鉄道の連続立体交差化工事 (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2024/05/25
鶴ヶ峰駅の連続立体交差化事業は、横浜市によれば「西谷駅から二俣川駅間の約2.8kmについて鉄道を地下化することで、10箇所の踏切を除去」するもので、鶴ヶ峰駅はやや北の地下に移動する。完成は2033年の予定である。
あずま屋利用停止のお知らせ (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2024/05/25
連続立体交差化事業では、帷子川親水緑道の中央付近から西側の土地を一旦掘り下げてから埋め直す計画になっており、そのため現在のあずま屋付近の水流を水路切り回し工事で移動させるようである。
鉄道の連続立体交差化工事 (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2024/09/28
相鉄の連続立体交差化工事は着々と進み、二俣川から新しい線路が敷設されており、鶴ヶ峰のバスターミナルも少しずつ改変されてきている。
鶴ヶ峰連続立体交差事業 (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2025/03/15
手書きで数字を記した黄色いテープが樹木に留めてある。個々の位置を記録しているのだろう。工事の進捗によっては撤去するのかもしれない。工事が済めば元に戻すのだろうか。それとも、どこかに移設する協議か、処分費の検討のためかもしれない。
帷子川親水緑道 (横浜市旭区帷子川親水緑道) 2025/03/15
帷子川親水緑道は、帷子川の改修の際に原型の川と谷戸の景観を残すために1988年に設置された公園である。1971年に発足した横浜市役所の都市デザイン室による設計で、池を中心とした日本庭園の一画も含めて、2008年に都市景観大賞に選ばれている。赤土の急斜面と旧川周辺は昔日の印象と変わらないが、そこは今、鶴ヶ峰駅を地下に移動するため工事中である。
Yellow Roof 's Museum