Yellow Roof 's Museum
2024/04/27
ベニバナシャリンバイの花 (横浜市旭区鎧の渡し緑道)
ツツジにしては花が小さいと思って写真を撮り、それから葉も違うことに気が付いた。ベニバナシャリンバイ(紅花車輪梅)はシャリンバイの園芸品種で、花がなければ白花のシャリンバイと明確に区別がつかないかもしれない。
ベニバナシャリンバイの花 (横浜市旭区鎧の渡し緑道)
シャリンバイ(車輪梅)の白花は名の通り白梅に似ているが、ベニバナシャリンバイの花は紅梅には見えない。
トサミズキ (横浜市旭区鎧の渡し緑道)
4~5メートルほどの花房をつけた木に近づくと「トサミズキ」の名札に気が付いた。この高さのトサミズキは初めて見る。トサミズキ(土佐水木)はマンサク科の属名でもあり、トサミズキ属には30種ほどある。本種は土佐を中心に自生する日本固有種で、歩道の植え込みでよく見かけるヒュウガミズキもトサミズキ属である。ヒュウガミズキは今では日向(宮崎県)にも自生しているが、主な自生地は近畿北部で、名は領主だった明智日向守光秀に因んでいる。
首洗い井戸、鎧の渡し (帷子川遊歩道)
首洗い井戸と鎧の渡しの史跡は、旭区役所の敷地内にある。畠山重忠存命当時、鎌倉「中の道」を横切る帷子川は川幅が広く、武者が鎧を頭に乗せて渡ることから「鎧の渡し」と呼ばれていたそうである。
首洗い井戸 (帷子川遊歩道)
「首洗い井戸/畠山重忠公は鎌倉時代の智・仁・勇を備えた武将でした。しかし、幕府の実権を巡る争いに巻き込まれ、鎌倉に至急参上せよという北条時政からの命に接して鶴ヶ峰にさしかかったところ、北条勢の大軍に待ちぶせされました。熱戦を繰り広げましたが、弓の名手愛甲三郎李隆(すえたか)の放った矢に当たり、四十二才の生涯をこの地に閉じました。元久二年(千二〇五年)六月二十二日 のことです。/ここには重忠公の首を洗い清めたといわれる井戸がありました。以前は帷子川の河原に直径1メ ートル程の穴があり、水が湧いていたといいますが、川の流れが変わって失われてしまいました。/平成二十二年二月吉日 設置/旭区誕生40周年記念事業実行委員会/旭区観光協会」
ミズキの花 (横浜市旭区帷子川)
樹木には日当たりの良い高枝にだけ花を咲かせるものもあり、背の低い若いうちはエネルギーを成長に注ぎ込むため花を付けない樹木も多い。このミズキは帷子川の土手から生えており、ちょうど歩道の位置に枝を伸ばしていた。
ミズキの花 (横浜市旭区帷子川)
ミズキ(水木)という名は、花を咲かせる春には水を吸い上げる根圧が特に強くなり、幹や枝を切ると滴るように水が出てくることから付いたものである。ミズキ科は枝を水平に伸ばし葉も水平に付くので階段状に見える。花が咲くとさらにそれが際立って見える。
コバンソウ (横浜市旭区帷子川)
コバンソウ(小判草)は5月前後に1~2センチの花序を付けるイネ科の植物で、鈴なりの穂からスズガヤという別名もあり、タワラムギというのもある。町中の路端にも群生しているが、明治期にヨーロッパから観賞用に輸入された帰化植物で現在も園芸店で購入できる。
ヒルザキツキミソウの花 (帷子川遊歩道)
ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)は北米原産の帰化植物である。明治開国以来、現在では町で見かける植物の約半数が帰化植物となった。
アカバナヒメアヤメの花 (帷子川遊歩道)
これはアヤメ科トリトニア属の花で、“Tritonia parvula N.E.Br.”という栽培種らしい。見慣れぬ色彩に気づいて撮ったもので、遊歩道の植栽に纏まって咲いていた。個人宅の見慣れぬ植物に気づいても撮影許可が面倒で撮らないが、同じ植物が付近の家や路上や公園にあることはしばしばで、どれが先かこれも訊ねるわけにいかない。隣近所で分け合ったり、それを公園の花壇に植えたりすることもあるだろう。
アカバナヒメアヤメの花 (帷子川遊歩道)
アカバナヒメアヤメは他で見かけず、ネット上にもあまり情報がない。外来種や園芸種の中には越年できて繁殖範囲が広がっていく帰化植物もあればそうでないものもあり、人里近くでは何がどうなっているものやら判断は難しい。
アブラナのナガメ (横浜市旭区帷子川)
ナガメ(菜亀)はカメムシ科の昆虫で、名前はアブラナ科の植物につくカメムシを意味している。交尾中を撮ってみたが、風で揺れており、近づきすぎれば逃げたり臭い液を出される可能性もあり、少し離れて撮った写真はピンボケばかりだった。
オオスズメノカタビラ (横浜市旭区帷子川)
見かけてはいるものの写真を撮っていない植物はいくらでもある。イネ科の場合は、概して穂が細かく小さく微風でも揺れやすく写真を撮りにくく判別もしにくく、つい見送ってしまう。気紛れに撮って調べれてみれば、スズメノカタビラのイチゴツナギ属にはオオスズメノカタビラ(大雀の帷子)もあると初めて識ることになる。
スミレの実 (帷子川遊歩道)
スミレは小さいものが多く、実にはなかなか気づくことができない。ここらに咲いていたはずと探してみれば、既に花は萎れて青い実ができ始めていたりする。
スミレの実 (帷子川遊歩道)
大きな樹木もろくに判別できないのに、どこまで小さな植物を識別すべきか考えたところであまり意味はない。自分が言えることは、行き当たりばったりでも何でも実践すれば知識だけのペーパードライバーでは得られない実践力が身に着いてきて、それは何にでも役に立つということである。
ヒメコウゾの花 (横浜市旭区帷子川)
先日ヒメコウゾが雌雄同株であることを再確認してから、クワの木に入り混じるようにヒメコウゾが生えていることにも気づき、雌花ばかりの枝にわずかな雄花を見つけたり雄花ばかりの枝に小さな雌花を見つけたりするのも速くなってきた。
オオスズメノカタビラ (横浜市旭区帷子川)
オオスズメノカタビラは腰ほどの高さがあるが、似たりよったりの植物は多く、かなり接近しないと類似種と見分けがつかない。
オオスズメノカタビラ (横浜市旭区帷子川)
白く細い糸の先に2つか3つ付く小花はミリ単位である。近づかなければホコリか綿毛にしか見えない。
イヌガラシの花 (横浜市旭区帷子川)
アブラナ科は栽培種が多いだけに多種多様で変種や雑種が多く、道端にいくらでもあり大きくはっきり見えるにも関わらず自分にとって識別が困難な植物である。よく見る菜の花と印象が違うというのは経験的勘に過ぎず、写真を撮ってイヌガラシに仕分けはしたものの、今のところイヌガラシと似て見えるだけである。
フジ (帷子川遊歩道)
フジの蔓は枝先を正面として時計の針のように右から左に巻き付く左巻きである。ヤマフジやナツフジは反対の右巻きで、夏に咲けばナツフジである。もっとも、写真のように複雑に絡み合って蔓の右巻き左巻きが判りにくいこともある。ただヤマフジは近畿以西、ナツフジは東海以西が主な分布域なので、関東近辺はフジが多いようである。
ヤマトシジミ (横浜市旭区今宿南町)
このヤマトシジミは、初めは羽根を開いたまま菊の葉についた水滴に口吻を伸ばしていたが、近づこうとするにつれてゆっくり羽根を動かし始めて飛び去った。
チリアヤメの花 (横浜市旭区今宿南町)
アスファルトの歩道の端で、10センチもない高さに5~6センチの花を咲かせていたのはチリアヤメで、名の通りチリやアルゼンチンが原産である。これは花壇から溢れた種が育ったものと思われるが、近年野生化しているようである。
ヒメウツギの花 (横浜市旭区今宿南町)
ヒメウツギは自分の行動範囲では決まったところでしか見かけない。日本固有種で関東以西の川岸などで自生するようだが、帷子川の中流から上流沿いでは見たことがない。
ブラシノキの蕾 (横浜市旭区今宿南町)
ブラシノキは今のところ公園か庭先でしか見ない。しかし、花の時期は派手な赤とブラシ状の大きな花穂には誰でも気づくオーストラリアやニュージーランド原産の高木常緑樹である。
ヒメヒオウギの花 (横浜市旭区今宿南町)
ヒメヒオウギ(姫檜扇)はフリージア属で、花は2~3センチほどである。よく似たヒオウギ(檜扇)の花の半分ほどなのでヒメヒオウギと呼ばれるが、ヒオウギの方はアヤメ属である。同じような名にヒメヒオウギズイセン(姫檜扇水仙)があり、これはヒオウギズイセン属の植物である。
ヒメヒオウギの花 (横浜市旭区今宿南町)
南アフリカ原産のヒメヒオウギの花のような配色は日本の植物にはない。虫媒花の植物では花の色彩や形状、香りや蜜は昆虫を誘引するための広告塔のようなもので、競争相手が多く様々な客層があるほど広告を目立たせたり特定客に特化させたりといった様々な戦略が生じる。島国では動植物が侵入する機会も少なく広告を差別化する必要性も少ない。つまり、より自然発色に近い微細な色の違いで十分に役割を果たす。
タラヨウの雄花 (横浜市旭区帷子川旧川)
タラヨウ(多羅葉)にはチョウやハナムグリも蜜を吸いにくるが、主な花粉媒介者はミツバチである。もっとも、雌株は近くに見当たらず、自生地は静岡県以西なのでこれも植樹だろう。近場では瀬谷の徳善寺のタラヨウが雌株で、横浜市の名木古木指定一覧表(2023年9月)にあり、樹齢369年、樹高14.m、目通周1.8m、枝張り7.0mとある。しかし、ここから5キロ以上は離れている。
タラヨウの雄花 (横浜市旭区帷子川旧川)
タラヨウは寺社によく植えられている。ネット上の情報を総合すれば、タラヨウの葉は傷つければ黒く変色し、火に炙れば黒い円紋が浮き上がる性質がある。神社では吉凶禍福を神前で葉を炙って卜占したので拝殿前に御神木として植えられ、寺院でも護摩堂の前に植えて占いに用いられもしたが、そもそも経文を書く仏教の聖木多羅樹(オウギヤシ)を模して門前や境内に植えられるものだった。古代インドでは木の葉をパットラ、オウギヤシをターラと呼び、その漢語訳が貝多羅葉(バイタラヨウ)で、これが略されて多羅葉の名となった。
ハクウンボクの花 (横浜市旭区帷子川旧川)
ハクウンボク(白雲木)の名は白い花を雲に見立てたもので、日本・朝鮮半島・中国に分布する。若木はこけしや将棋の駒に用いられる。
ハクウンボクの花 (横浜市旭区帷子川旧川)
ハクウンボク(白雲木)はエゴノキ科で、花はエゴノキとそっくりだが、花の大きさと付き方が異なり白雲のように見えることから名が付いている。
ハクウンボクの花 (横浜市旭区帷子川旧川)
白雲木の名の由来は花が咲かなければ役に立たないが、両手を並べたほど大きな丸い葉と滑らかな灰色の樹皮は記憶に残る。
ハクウンボクの花 (横浜市旭区帷子川旧川)
ハクウンボクの花はエゴノキより小さめの2センチ程度だが花柄が短いため密集している。近くのエゴノキはまだ蕾の状態である。
ミズキの花 (横浜市旭区帷子川親水緑道)
ミズキには階段状で水平に輪のように広がる枝ぶりからクルマミズキという別名があり、慶事に使う祝箸の材料としてのハシノキという別名もある。また、白く柔らかい材質で加工しやすく、こけしの材料として植林の試みもされているようである。
帷子川親水緑道のエノキ (横浜市旭区帷子川親水緑道)
中央の傾いた樹木は何の木か判然としない。最も近くの葉でも十数メートルは離れている。根本にいくつかあるヒコバエもどれだかよく判らない。
帷子川親水緑道のエノキ (横浜市旭区帷子川親水緑道)
傾いて伸し掛かる全重量を支える根本は、直径70センチを越える。
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