Yellow Roof 's Museum
除伐
アオギリの切株 (流通センター駅前) 2022/06/20
アオギリの切株に碁盤の目状にチェーンソーを入れてある。これは除草剤などをよく浸透させるための措置のはずだが、現実に新枝を伸ばして新芽が生えている。環七沿いに9本並んだうち真ん中の1本で、倒木の可能性があったか、落枝でもしたのかもしれない。
除草前の大和大橋の袂 (大田区大和大橋) 2022/06/24
大和大橋を渡ったところは雑草だらけになっていて何がどう生えているのか見当も付かない。自然発生だと思うが、右岸にたくさん植えられているユキヤナギを探してもここには無い。種が風で飛ばされることもなく、鳥や昆虫によって運ばれもしないようだ。
剪定後のユキヤナギ (大田区大和大橋) 2022/07/19
ユキヤナギは根本近くまで刈っても毎年復活する。年に2度3度とユキヤナギは剪定されるが、余分な枝を刈ることで風通しを良くしたり、共倒れを防いだりして全体を生かしているようだ。
希望が丘水の森公園の除草跡 (横浜市旭区希望が丘水の森公園) 2022/08/11
ある日、大規模な除草の跡があった。入口の案内板には「周囲の自然を含め源流を保全しています」とあるが、これは「生物のための樹林」に指定されていない箇所のようである。左奥の杭から向こう側は除草されていない。
希望が丘水の森公園の除草跡 (横浜市旭区希望が丘水の森公園) 2022/08/11
里山の景観は自然そのままではなく、生活上の必然で自然を利用するために手入れして維持してきたものである。現代都市では農業や林業を営む者は減る一方で、山菜や薪や炭を採るために野山に分け入ることもなく、自然は散歩やジョギングを愉しむための景観でしかない。つまり、造園業者や土木業者が定期的な伐採と除草で自然を撹乱しないと、バランスの採れた里山の状態が保たれずに極相林へと遷移してしまう。
シュロの幹に留められた除草と剪定作業の公示 (大田区大和大橋) 2022/09/02
毎年4月から9月はアルバイト増員で大規模な除草が行われる。細かな剪定や刈り残しは造園業者だけで年がら年中あちこちでやっているようだ。通勤路だから気になったことはいつでも確かめることができるが、除草の公示もろくに読まないどころか気が付きもしない。まともに目を通したのは今年が初めてである。
トウネズミモチの剪定跡 (大田区平和島公園) 2022/09/13
公園の樹木は頻繁に剪定される。樹形を整えたり高さを揃えたり、低い枝を除くための剪定が多いが、中には切株を残した伐採の跡や抜根の跡もある。
トウネズミモチの剪定跡 (大田区平和島公園) 2022/09/13
トウネズミモチは生命力が強く成長も早い。強剪定しようが伐採しようが、抜根しない限りは若枝を生やす。野生化したものはあちこちにあり、ヒヨドリやムクドリが都市部で増加した一因としてトウネズミモチが挙げられるほどたくさんの実を付ける。
トウネズミモチの剪定跡 (大田区平和島公園) 2022/09/13
歩道沿いのネズミモチはほぼ花を咲かせない。日照条件の違いかと思っていたが、花が咲くように剪定したり花が咲かないように剪定したりもできるようだ。
トウネズミモチの剪定跡 (鶴ヶ峰本町公園) 2022/12/04
以前はこれを伐採と見做していて、葉も残さず幹を切ればそのうち枯死するものと思っていた。そのくせ何故根こそぎにしないのかとも考えなかった。なお、右手前の樹木は剪定されていないトウネズミモチの林に続いているが、奥の方の樹木は別種が混じっているようである。
トウネズミモチの剪定跡 (鶴ヶ峰本町公園) 2022/12/04
栽培種は傷つけただけで死ぬような繊細なものもあるらしいが、少なくとも野生種や元種の植物は生命力が強く、その再生力は人間とは比べ物にならない。
ソメイヨシノの切株 (横浜市旭区大池公園) 2023/01/08
開けたところにはソメイヨシノに代わって天狗巣病に強いジンダイアケボノを植えたという。おそらく切株がソメイヨシノで、若木がジンダイアケボノだろう。ジンダイアケボノの花はやや濃いという。金沢区ではソメイヨシノを全てジンダイアケボノに植え替えたそうである。公益財団法人の日本花の会では2005年度からソメイヨシノの配布を中止し、ジンダイアケボノその他を推奨している。同会のホームページには401種の桜が載っている。
シラカシの切株 (横浜市瀬谷区長屋門公園) 2023/02/11
遊歩道の斜面にあるシラカシの切株に若枝がごっそり生えていた。シラカシやウメ、イチョウ、キンモクセイなど剪定して幹だけにしても死なない樹木も多いようだ。とはいえ、種ごとに剪定時期や方法は異なり、生育環境や管理者の目的によってもやりようが変わる。生命力が弱い樹木でも計画的に何段階かに分けて剪定すれば却って長寿命になることもあるという。
シラカシの切株 (横浜市瀬谷区長屋門公園) 2023/02/11
シラカシのような常緑樹や針葉樹は強剪定されて枯死したものも見かけるが、このように幾重にも若枝を伸ばしていた切株もまたよく見かける。
ハランの剪定跡 (大田区平和島公園) 2023/03/14
ハランは根を取り除かないかぎりは翌年生えてくるという。これは過密を避けるための剪定だろうか。
オオシマザクラの剪定跡 (大田区平和島公園) 2023/03/27
剪定した箇所に裂けた跡があり縦にひびが入っている。剪定した樹皮の片側が剥けているものはよく見かけるが、樹皮のひびは複数で長く、落枝したのかもしれない。
クスノキの切株 (大田区平和島公園) 2023/03/31
見た目では生命活動が見られないクスノキもあるが、診断しなければ復活の可能性があるかどうかは分からない。切株に除草剤を注入した跡があってもヒコバエを生やしている樹木もある。植物は傷ついたり折れたりするとカルスを形成して身を護り、樹木などは必要とあらば傷が癒えて準備が整うまで休眠状態に入ることもあるそうだ。
イチョウの切株 (横浜市旭区中沢町) 2023/04/08
びっしりとキヅタが絡んでいた交差点のイチョウは切株だけになっており、伐採する前から張り出されたと思われるお知らせが残されていた。その先にはもう1本の切株があり、造園業者のトラックと作業員が見えた。「この樹は、歩行者への交通の支障となるため伐採を予定しております。/※ご意見ご質問等ございましたら下記までご連絡ください/連絡先:横浜市 旭土木事務所」
ヒュウガミズキの剪定 (帷子川遊歩道) 2023/04/16
公園や道路際などの植物は人が介在するものだ。剪定や植栽の最中に出くわしたり、剪定や除草や撤去の跡を見ることも多い。ヒュウガミズキもトサミズキと同じように丸坊主に剪定されるようだ。
ヒュウガミズキの剪定 (帷子川遊歩道) 2023/04/16
こまめな手入れなどに労力や費用が掛けられない歩道の植栽では、カビなど、うどんこ病対策のために花後に強剪定して風通しを良くしておくということもあるだろうし、来年の花の時期までに歩道に枝葉が張り出さず高さを低く抑えておくために切るということもあるだろう。
ヒュウガミズキの剪定 (帷子川遊歩道) 2023/04/16
横浜市では街路樹や公園の維持管理は各区の土木事務所が行っており、この付近は旭土木事務所の管轄である。ただ日頃手入れをしたり清掃しているのは有志や自治会など一般の人々である。ヒュウガミズキは極端な刈り込みにも耐えるので切り花としても流通しているほどで、丈夫で管理しやすく路傍や公園の生垣としてよく見かける。花後に即座に剪定を行えば新しい枝に翌年の花芽が付くという。そんなわけで、若い実は見ることができても黒く熟した実はなかなか見ることができない。
イチョウの切株 (横浜市旭区今宿町) 2023/04/16
イチョウの切株から新芽が生えていた。根が生きているようだ。イチョウはジュラ紀から存在している植物で、ダーウィンは生きた化石と記述している。
クスノキの剪定 (大田区平和島公園) 2023/04/19
このクスノキは花壇のもので、ぽつんと1本だけ剪定されている。日陰を作ってしまうためと思われる。通行の邪魔だからと人の背より低い枝は剪定され、老木は危険だからと剪定され、花壇に陽が当たらないからと剪定される。長屋門公園のように裏山をそのまま公園にしたような自然林に近いところでは植物層は安定するものの見かけ上は凡庸になる。
暴風雨での倒木 (帷子川遊歩道) 2023/06/04
前々日からの暴風雨での倒木で遊歩道が塞がれており、1人が通る分だけ枝が避けられていた。
暴風雨での倒木 (帷子川遊歩道) 2023/06/04
倒木したのはエノキとミズキとクワの木である。かなりの傾斜があるが、土砂崩れほどではなく地盤が緩んだことで根が浅い若い木が倒れたのだと思われる。残った根に支えられているのか単に引っかかっているだけなのかは判然としない。
トウネズミモチの剪定跡 (鶴ヶ峰本町公園) 2023/08/27
強剪定されたトウネズミモチのうち再生が遅れているものや葉が枯れているものもある。このまま枯死に向かうかどうかは先にならなければ判らない。
トウネズミモチの剪定跡 (鶴ヶ峰本町公園) 2023/08/27
昨年丸坊主に強剪定された数十本のトウネズミモチのほとんどは、1年経つと枝葉を伸ばして夏にはプールの目隠しの役目を果たしており、もはや剪定の跡も見えなくなってきている。環境が変わらなければ木本は古く単純なシステムゆえに再生力も強い。植物の進化史としては千年生きるような木本が先に出現し、1年草のような草本は白亜紀後期に出現したと言われている。ただ環境は激変することがあり、その場合には長命よりも短命の世代交代の方が遥かに有利である。
スギの切株から生えたヒガンバナの花 (横浜市旭区希望が丘ふれあいの森公園) 2023/09/17
切株のほんの小さな穴から2本のヒガンバナが生えており、当然ながらこの下に球根があるということになる。
スギの切株から生えたヒガンバナの花 (横浜市旭区希望が丘ふれあいの森公園) 2023/09/17
ヒガンバナの茎が出ているところ以外も切株には穴が空いており、もしかすると毎年ヒガンバナが開けているのかもしれない。それにしてもここから生えているからには人が植えたにしてもアリが運んだにしても元は種である可能性が高く、そうなると三倍体のヒガンバナではなく、二倍体の原種であるコヒガンバナかもしれない。
剪定後のトウネズミモチ (鶴ヶ峰本町公園) 2023/10/14
このトウネズミモチは樹皮に小さな白いキノコをたくさん付けており小枝も見当たらない。剪定の失敗かもしれないが、メマツヨイグサやコセンダングサに囲まれ、ヌルデに迫られ、フジの弦に巻き付かれ、生存競争に負けているのかもしれない。
倒木したシラカシ (横浜市瀬谷区長屋門公園) 2024/05/02
行く手が倒木で塞がれていた。たぶん昨日の雨で地盤が緩み、根が緩んできていた木が倒れたのだろう。崩れた土砂は見えない。
倒木したシラカシ (横浜市瀬谷区長屋門公園) 2024/05/02
擦れ違った3人が3人とも遊歩道ではなく小川沿いの草深い小道を歩いてくるので不思議には思っていたが、遊歩道の方は完全に塞がれていた。
倒木したシラカシ (横浜市瀬谷区長屋門公園) 2024/05/02
まだ朝9時で撤去作業はこれからだろう。長屋門公園は1992年7月に開園した自然観察のための自然公園だが、そもそもが原生林ではなく里山で、人々が生活に利用するために出来た里山である。
倒木したシラカシ (横浜市瀬谷区長屋門公園) 2024/05/02
シラカシ1本だけでなく何本か一緒に倒れたようで、10メートル以上の範囲が人の高さほどの高さで道が塞がれており、小川沿いの小道がなければ回避できない。人がいれば下敷きだろうが、そんなニュースはなくたぶん夜間に倒れたのだろう。この2年でも何度か倒木の後に出くわしているが、これまでの中では最大規模である。
倒木したシラカシ (横浜市瀬谷区長屋門公園) 2024/05/02
長屋門公園は小川と斜面の高低差が15メートル近い地点があり、20メートルほどの高木も見られる。直前に樹林育成中の看板を写していたが、「樹林育成」のためには伐採が必要である。里山は生活のために手入れされてできた景観であり、公園もまた同じように放って置くのではなく保全していかないと崩壊を免れない。
倒木撤去後 (横浜市瀬谷区長屋門公園) 2024/05/05
瀬谷土木事務所の「倒木注意」の掲示。日常の手入れは管理人や近隣の住人、ボランティア会員といった人々だが、横浜市の公園や街路樹、緑地などを監督・維持・管理する元締は地元の土木事務所である。
倒木撤去後 (横浜市瀬谷区長屋門公園) 2024/05/05
自分が遭遇した倒木現場を土木業者が片付けた跡を見ることは少なくはない。規模の大小に関わらず倒れた木や後片付け、倒れそうな木は公開しないまでも初期から撮りたくなったのは、たぶん防衛本能的なことだろう。落ちてくる枝葉や木の実、様々な音が何を意味するか気づくには五感を研ぎ澄ませるしかない。
倒木撤去後 (横浜市瀬谷区長屋門公園) 2024/05/05
これは業者が恣意的に様々な状態の樹木を並べて撮影したものだろう。しっかり目線の位置にある。自分の会社も事故の大小に関わらず現場写真で社内周知している。積まれた木々の木口には真新しいものもあれば、空隙だらけで潰れたものや無数に裂けたものもある。木の健康状態は見かけからだけでは判らないので、樹木医などは専用の道具を幹に刺して確認する。
倒木撤去後 (横浜市瀬谷区長屋門公園) 2024/05/05
この公園はジョギングしている人もいれば老人が散歩していることもあり、家族連れで遊びに来る人たちもいる。自然の景観や森林浴を愉しむ人々はお客様で、整備された公園しか見ていない。
カンザンの剪定 (帷子川遊歩道) 2025/02/08
清来寺近くの遊歩道沿いのカンザン(関山)が剪定されていた。塗布剤が塗られた跡はほとんど見ない。近頃は効果が疑問視されて生態系への悪影響も懸念されており、湿気を閉じ込めて却って腐朽を招くことがあると指摘されている。現在では適切な選定技術を駆使して自然治癒力に任せるのが主流である。日本では長く慣習として残っているが、欧米や近隣諸国ではほとんど使われていない。
カンザンの剪定 (帷子川遊歩道) 2025/02/08
水平に切って下にも切ったのは元々裂けていたのかもしれないし、失敗の跡かもしれない。しかし、他の木と違ってこの木の切り口は滑らかで塗布剤も塗られていない。ちなみに横浜市環境創造局の公園緑地等維持業務共通仕様書(令和2年1月)では「太い枝(概ね直径15cm以上)を剪定した場合は、必要に応じて切り口に殺菌・癒合促進剤を塗布する」とある。
シナマンサクの剪定 (川崎市幸区さいわいふるさと公園) 2025/02/27
昨年も花の時期に剪定跡があり、散りかけの花や枯葉がある。癒合剤や保護剤を使うのは古い常識になってきているが、剪定の適期は花後から新葉が出る間とされている。ただ、剪定目的は様々である。花付きの悪い枝を見分けての剪定、病害から守るための剪定、若い時期に樹形を整えていく剪定過程、歩道の安全確保…。むろん要らなければ根こそぎ処分される。鎧の渡し緑道のシナマンサクと比べると、この株は花の密度は半分以下で樹高も半分。様々な可能性を持ち、変わることができる若い樹木である。
カンザンの剪定 (帷子川遊歩道) 2025/03/15
塗布剤が塗られていないカンザンがあったはずだが、いつの間にか古い知識が蓋をしていた。現代では自然治癒力が重視されていて、学校の保健室からも赤チンやオキシドールが消えている。
Yellow Roof 's Museum